藤野 敦子

FUJINO ATSUKO
現代社会学部 現代社会学科 教授
学位
博士(人間科学) 博士(経済学)
専門分野
労働経済学/労働社会学

研究テーマ

ジェンダーや家族の視点からみた労働問題 ジェンダー・セクシュアリティの視点からみた労働・人口問題

高校生に向けた研究内容の紹介

現代日本の労働市場の問題と少子化を研究テーマとし、欧州との比較も行っています。研究の出発点はすべて自分の日常経験にあり、自分の直面した問題を解決することが社会問題の解決にもつながるのではないかと考えています。社会問題の解決に向けて、統計学を用いたデータ分析と個々の人へのインタビューの両面から調査を実施しています。

社会課題を発見し、エビデンスをもとに解決に導く。-労働・人口・ジェンダー・セクシュアリティなどにおける社会問題の発見・ 分析・解決を探る

労働・人口・ジェンダー・セクシュアリティをキーワードに、学⽣⾃らが社会課題を発⾒・解決策を導き出すゼミです。 例えばゼミの一グループは、近年話題になっていた「⼥性の⽣理(月経)の貧困」を自分達の身近な問題としてテーマに据えました。
まずは、SNSのテクストや学内で実施したアンケートから得たデータを分析しました。そこから、生理用品の購入という女性に課せられる経済的負担だけが問題でないことが見えてきました。生理により授業を欠席することや課外活動が制限されることで、女子学生が様々な機会を喪失している実態が明らかになりました。また女性達は理由が語れない精神的な抑圧も感じていました。社会で言われている「貧困」にとどまらず、ジェンダー不平等という大きな枠組みでこのテーマをとらえなければ解決につながらないことがわかったのです。
こういったことを踏まえ、⼤学の⼥⼦トイレに「OiTr(オイテル)」という⽣理⽤品の無料ディスペンサーを導⼊することを大学に実際に提案するなど、いくつかの解決策を導きました。
個人的な悩みや苦しみあるいはそこまででなくても、もやもやとした気持ちを抱えている人は多いと思います。そういった個人的な思いは、実は社会の課題と密接につながっています。私たちはこのような身近な社会課題を科学的に分析し、エビデンスにもとづき解決に導くというチャレンジをしています。

ゼミナール/研究室のテーマ


労働・人口・ジェンダーセクシュアリティに関する研究

日頃、みなさんが身近に感じている労働・人口・ジェンダーセクシュアリティに関する問題を取り上げ研究します。テーマの例として、男性の育児推進や少子化問題、ジェンダーの無意識の偏見等が挙げられます。インタビューやアンケートから得られたデータを分析し、問題の核心に迫り、エビデンスに基づく政策提言をします。

ゼミ/卒業研究の紹介

日頃、みなさんが身近に感じている労働・人口・ジェンダーセクシュアリティに関する問題を取り上げ研究しています。男性の育児推進や少子化問題、ジェンダーの無意識の偏見等がテーマの例ですが、きっかけはすべて自分や隣人の困りごとです。インタビューやアンケートから得られたデータを分析し、問題の核心に迫り、エビデンスに基づく政策提言をします。公務員や教員あるいは大学院進学する人が比較的多いゼミです。

プロフィール

小さなころ、ピアニストになるのが夢でした。パイプオルガンを習っていたこともあります。今は習う暇はないですが、家族に弾いてほしいとリクエストされたとき、弾いています。バルバストル、ラモー、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルなどフランス人作曲家の曲やジブリ映画の曲などをリクエストされます。・・と書いてきて、「おフランス」趣味の人みたいになっていますが、生まれも育ちも関西の下町界隈の人です。

高校生へのメッセージ

ヨーロッパには、「メメント・モリ」というラテン語の警句があります。「常に死を思え」という意味で、中世の修道士たちは挨拶がわりに用いていたと言われています。 一方で、対照的なように見える「カルペ・ディエム」というラテン語の警句もあります。「今を生きよ」という意味ですが、実はこの二つは根底でつながっていると考えられます。つまり、人間は死すべきものだから、今を大切に生きよということになるでしょうか。日本の江戸時代中期に書かれた『葉隠』にも「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」というよく似た一節があります。こちらも、人間は死すべきものと常々意識することで良い働きができるということです。 私自身も人生の早い段階で、大災害にあったり、大病をしたりしたことがきっかけで、死を常々意識するようになり、一瞬一瞬を大切に生きることを人生のモットーとするようになりました。「生きづらさの時代」と言われますが、昔の人達にならい人生の終わりを意識すると、本当に生きる意味が見えてくるのかもしれません。