
今西 利之
IMANISHI TOSHIYUKI
外国語学部 アジア言語学科 教授
- 学位
- 修士(文学)
- 専門分野
- 日本語学(現代語)、日本語教育学
研究テーマ
日本語学(現代語)、日本語教育学
高校生に向けた研究内容の紹介
現代日本語を主に文法的な観点から分析しわかりやすく記述していくことを目指しています。また、ことばそのものの研究をもとに、多様化する日本語学習者のそれぞれのニーズに即した教育内容や教材の開発、教育の実践についての研究も行っています。さらに、多文化共生社会の実現に向けた「やさしい日本語」による生活者としての外国人への情報提供の可能性についても考えています。
ゼミナール/研究室のテーマ
多言語・多文化社会と日本語・日本語教育
多言語・多文化社会と日本語・日本語教育-母国語ではない一つの言語として日本語を深めていく
「あっ、雨が降っているよ」と人に伝えるとき、なぜ「は」ではなく「が」を使うのか、説明することができますか。日本語を母語とする人たちにとっては当たり前のことが、そうではない人たちには理解できないこともあります。私たちの研究は、母語であるが故に見過ごしている物事を、一つの言語として捉え直すことです。謝罪をするとき、日本ではまず謝ることが何より大切。一方、理由の説明が重視される国・地域もある。学生には、こういったコミュニケーションの違いも学んで、真の意味でのグローバル人材になってほしいと考えています。
ゼミ/卒業研究の紹介
我が国には日本語を母語としない多くの人々、外国に文化的なルーツを持つ大勢の人々が社会生活を営んでいます。例えば、在留外国人数は約 359 万人(令和6年6月末 出入国在留管理庁)にのぼり、過去最高を記録しています。また、日本国籍を持っている人、短期滞在者など、 この数字の中に含まれていない人々も数多くいます。上記のような人々の 我が国における現状や歴史的な背景を把握し、多言語・多文化社会及び日本語教育という観点から、彼らが我が国の社会の中でどのような問題点を抱えているのかを学び、その解決について考えます。
プロフィール
高校生の頃、「自分が外国に行ったらそこのことばを話そうとするのに、日本に来ている外国人はどうして日本語を話さないのだろうか」「外国の人は日本のことをどのくらい知っているのだろうか」という素朴な疑問がきっかけで「日本語の先生」という仕事に興味を持ちました。大学・大学院では日本語について学び、修了してからはずっと外国人留学生に日本語を教える仕事をしてきました。世界中のいろいろな国や地域の人と出会い、ともに過ごした経験、そして、世界中のいろいろなところに私のことを知っている人がいることが、私にとっての大きな喜びです。
高校生へのメッセージ
日本語教育の現場では、日本語のことはもちろん、日本に関するさまざまな事柄について、日本語を母語としている人にとっては無意識のうちに使っていること、当り前だと思っているこが問題となり、「なぜだろう」「どんなルールがそこにあるのだろう」「どうやって伝えたらいいのだろう」と考えることがしばしばあります。そして、国内外で様々な国や地域の人々と接していると、「あっ、そんなふうに考えることもできるんだ」という新しい発見もたくさんあります。そんな体験をみなさんがするお手伝いができればと思っています。