教員紹介竹内 茂夫

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竹内 茂夫TAKEUCHI SHIGEO

文化学部 国際文化学科 教授

学位
文学修士(言語学)(筑波大学)、文学修士(京都産業大学)
専門分野
旧約聖書ヘブライ語を中心としたセム語学、旧約聖書学、初期バロック音楽

プロフィール

愛知県生まれで、本学の外国語学部言語学科言語学専修(今はない)出身です。小さい頃から様々な言語に興味があったので、言語学を専門的に学ぶことにしました。一方で音楽も大好きで、バンドでベースやギターや鍵盤楽器を弾いていましたし、高校の吹奏楽部の先輩から誘われたリコーダーのアンサンブルをきっかけに、リコーダーをずっと続けて演奏活動もしています。その頃から18世紀以前の「古楽」を聴くようになり、今では講義(音楽文化論)や文化演習(通称「笛ゼミ」)でも教えています。その他にバロック・ギターという現代のとは全く違うギターで17〜18世紀の様々な地域の様々な曲を弾いています。最近では大型リュートの一種であるキタローネ(イタリアン・テオルボ)を弾いて、通奏低音奏者として歌やアンサンブルの伴奏で音楽活動をしています。

研究テーマ

  • 旧約聖書の音楽に関する様々な用語、楽器、朗唱記号
  • 言語学から見た旧約聖書ヘブライ語の文法
  • リコーダーの歴史と時代様式に応じた演奏の実践
  • 初期バロック(特に17世紀イタリア)の演奏様式
  • バロック期の調律方法(特にテオルボなどの撥弦楽器)

研究活動・教育活動

【最近の論文(音楽関連)】
  • 2017「旧約聖書にリュート属?」『日本リュート協会会報』29:11-18。
  • 2015「旧約聖書釈義ノート」『神戸ルーテル神学校神学誌 宣教と神学』37:xi-xiii。
  • 2015「アルファベット4000年の歴史:フラクトゥーアから古代エジプトまでさかのぼる」『エネルゲイア』(ドイツ文法理論研究会)40:1-18。
  • 2014「旧約聖書の『アル=ハッシェミーニート』(「八弦の立琴に合わせて」「第八調」):文法的な再検討と聖書外の音楽資料からの考察」『福音主義神学』45:165-84。
  • 2014「釈義ノート2つ」『神戸ルーテル神学校神学誌 宣教と神学』26:i-iii。
  • 2014「バルトロメ・デ・セルマ・イ・サラベルデ作〈高音楽器のためのカンツォン第3番〉のファクシミリ (1638) 校訂」『京都産業大学論集 人文系列』47:185-210。
  • 2012「旧約聖書に現れる楽器」『神戸ルーテル神学校神学誌 宣教と神学』34:69-82。
  • 2009「ヘブル語聖書における『笛』『フルート』の釈義的考察」『オリエント』52-1 :105-118。
【翻訳】
  • 2012 キドナー、デレク著『箴言』(ティンデル聖書注解)いのちのことば社。
  • 2010 ヴィクター・スティーヴンソン著『図説 ことばの世界−欧米の言語史−』青山社。
  • 2000 ナヴェー、ヨセフ著『初期アルファベットの歴史』(りぶらりあ選書)法政大学出版局。
  • 1996 ヒーリー、ジョン著『初期アルファベット』(大英博物館双書—失われた文字を読む)學藝書林。
【音楽活動(招待公演のみ)】
※特記以外はリコーダー無伴奏ソロ・リサイタル。
  • 2016/9/25「17世紀イタリアの音楽」(リコーダー、バロック・ギター)日本福音ルーテル神戸東教会
  • 2016/7/16 セイチェントII「全員合唱」S. Rossi〈Barekhu〉(17世紀イタリアで作られたヘブライ語典礼合唱曲の指導ほか)同志社大学同窓会館
  • 2016/5/2-4 288ミュージックキャンプ(リコーダー・ソロとバロック・ギターのコンサート、合唱指導ほか)蒜山バイブルキャンプ
  • 2015/10/25「ヨーロッパ、リコーダー600年の旅」六甲アイランドルーテル教会。
  • 2015/10/11「特別礼拝「リコーダーで旅するキリスト教音楽」宝塚ルーテル教会。
  • 2014/12/6「無伴奏リコーダーでクリスマス ~バロックからジャズまで~」(バロック・ギターの演奏も。ジャズ・ギターとも共演)西須磨福音ルーテル教会。
  • 2014/9/23「旧約聖書と楽器 ~ギターとリラとリコーダー~」(バロック・ギターの演奏も)(山陰西地区信徒研修会)松江福音ルーテル教会。
  • 2013/9/28「リコーダーで聴くキリスト教バロック音楽」神戸バイブルハウス。
  • 2013/4/24「花形独奏楽器としてのリコーダー(たて笛)」【第77回市民講座】京都産業大学むすびわざ館。
  • 2013/4/7 夢桜1周年記念コンサート 夢桜(京都市)。
  • 2013/3/20 京都市中学音楽研究会発表会(ウードと共演)堀川音楽高校。
  • 2012/11/24 「京都洛北の笛吹きと楽しむ秋の宵」(リコーダーアンサンブル指導も)横浜本郷台会館。
  • 2012/6/23 たまリコーダー教室発表会ゲスト(山下佐智子氏(チェンバロ)とともに)西宮甲東ホール。
  • 2012/10/14「丘のふもとの夢桜で聴く、リコーダー・コンソート」(アンサンブルSNSとして)夢桜(京都市)。
  • 2011/9/10 JEUGIA三条本店リコーダー・フェア・コンサート(京都市)。
  • 2010「リコーダー・ソロで巡る バロック 音の旅」姫路福音ルーテル教会。
  • 2010 京田辺シュタイナー学校コンサート。
  • 2009「リコーダーでジャズなバロックを」(ジャズ・ピアノと共演)芦屋福音教会。
  • 2009 JEUGIA三条本店リコーダーフェア ミニコンサート(京都市)。
  • 2009「リコーダーの歴史:講義と指導」明石市高齢者大学校あかねが丘学園。
  • 2008 クリスマス・コンサート 南大阪福音ルーテル教会(大阪市)
  • 2008 サマー・コンサート「リコーダーとチェンバロで典雅なひと時を」高丘福音ルーテル教会(明石市)

担当科目

情報処理実習(基礎)、音楽文化論、歴史文化講読Ⅲ(西アジア史)、入門セミナー、歴史文化基礎演習、歴史文化演習Ⅰ・Ⅱ
<科目の詳細はシラバス検索より>

ゼミ活動テーマ

A)各年次の内容
2回生の文化基礎演習では、バロック期(17〜18世紀半ば)の音楽の歴史とそれを取り巻く社会について
3回生の文化演習Iでは、それ以前の中世・ルネサンス期(〜16世紀)の音楽の歴史とそれを取り巻く社会について学んでいます。秋学期の後半ぐらいから卒業研究のテーマを絞り込んで、リサーチを始めます。
4回生の文化演習IIでは、テーマに関する先行研究を一緒に読んでまとめたり(日本語文献が豊富な分野ではないので英語の文献を読むことも多いです)、それをもとに一緒に考察を作っていき、卒業研究を仕上げます。
【これまでの主な卒業研究テーマ】
  • ルネサンスの音楽では「作曲家クレマン・ジャヌカンの曲から読み解く16世紀フランス」「デュファイの生涯と作品」(仮題)「フッガー家の歴史〜なぜ政治家を出さなかったのか〜」(仮題)
  • 中世の音楽では「ダンスタプルと『英国の甘美な響き』」「中世吟遊詩人の詞に見る当時の世相」
  • 楽器の歴史としては「クラリネットのルーツ」「絵画に見るトロンボーンの用法と奏者の変遷」「金管楽器ホルンの変遷~合図としての楽器から~」(仮題)
B)音楽文化論特別講義(文化学部聴覚文化セミナー)裏方 
 次のゲストの方々をお迎えして、ゼミ生でコンサートを運営しました。
  • 2017/7/8「ファン・エイク《笛の楽園》全143曲演奏の試み(1)」(第13回音楽文化論特別講義2017)無伴奏リコーダーとバロック・ギター。京都産業大学神山ホール。
  • 2016/7/17「La vita come il basso ostinato~Ensemble Passamezzo Antico 第2回公演~」(第12回京都産業大学文化学部聴覚文化セミナー/音楽文化論特別講義2016)ゲスト:アンサンブル・パッサメッツォ・アンティーコ(リコーダー/バロック・ギター、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ)京都産業大学サギタリウス館。
  • 2016/1/13「岩佐樹里による魅惑のバロック・ダンス~ルイXIV世時代のフランスの舞踏~」(京都産業大学文化学部聴覚文化セミナー/音楽文化論特別講義2015)ゲスト:岩佐樹里(バロック・ダンス)、他にバロック・ダンス/チェロ、チェンバロ。竹内はリコーダーとバロック・ギターで共演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2014/6/21「イタリアへの夢」(京都産業大学文化学部聴覚文化セミナー/音楽文化論特別講義2014)ゲスト:太田光子(リコーダー)、平井み帆(チェンバロ)京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2013/12/18「リコーダーの変遷について」(京都産業大学文化学部聴覚文化セミナー/音楽文化論特別講義2013秋)ゲスト:斉藤文誉(リコーダー製作家、アムステルダム在住)。リコーダーで共演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2013/5/19「歌・技・舞・華~イタリア初期バロック三昧~京都公演」(京都産業大学文化学部聴覚文化セミナー/音楽文化論特別講義2013春)Ensemble Passamezzo Antico(リコーダー、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ。パーカッション)として出演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2012/7/14「リコーダー・コンソートとリュートの典雅な午後」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚文化セミナー2012春)アンサンブル4Sとして出演。リコーダー・トリオ、リュート/バロック・ギター 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2012/1/11「バロック時代のギター音楽」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚文化セミナー2011秋〈その2〉)ゲスト:竹内太郎(バロック・ギター)および竹内がリコーダーで共演も。京都産業大学11号館ロビー。
  • 2011/11/10「ガブリエリと北イタリアのバロック」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚文化セミナー2011秋)ゲスト:アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニ(テノール、ツィンク、サクバット、オルガン)および竹内がリコーダーで共演も 京都産業大学11号館ロビー。
  • 2011/7/2「フランス古典の優美な舞曲~ルイXIV世時代の器楽曲」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚セミナー2011春)ヴァイオリン、チェンバロから成る諳讚陣☆薔薇としてリコーダーで出演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2010/7/3「イタリア150年の対比~初期バロックvs後期バロック~」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚セミナー2010)ヴァイオリン、チェンバロから成る諳讚陣☆薔薇としてリコーダーで出演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2009/7/4「オリジナル楽器でバロックを」(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚セミナー2009)ヴァイオリン、チェンバロから成る諳讚陣☆薔薇としてリコーダーで出演 京都産業大学神山ホール大ホール。
  • 2008/5/7 L'ALBAレクチャー・コンサート ゲスト:L'ALBA(歌、中世リュートから成る中世ヨーロッパ音楽。オランダ在住)(音楽文化論特別講義/文化学部聴覚セミナー2008)京都産業大学11304教室。 
C)ゼミ生とオープンキャンパスで演奏
  • 2016/8/7 オープンキャンパス文化学部イベント(アルトサックス、ファゴットとともにトリオとして共演)京都産業大学12号館
  • 2015/6/14 オープンキャンパス文化学部イベント(リコーダーとトリオとして共演)京都産業大学12号館。
  • 2013/8/3 文化学部オープンキャンパス(クラシック・ギターと共演)京都産業大学。
  • 2011/8/6, 20 文化学部オープンキャンパス(クラシック・ギターと共演)京都産業大学。
D)「笛ゼミ演奏会」
3つの演習で学んでいる中世、ルネサンス、バロック期の音楽を、楽器や歌をやってみたいという学生たちに練習してもらって発表する機会です。
【笛ゼミ演奏会2016】
■日時:12月20日(火) 12:30~13:00 
■場所:11号館1Fロビー
♪クリスマス・キャロル(賛美歌)集 〈エサイの根より〜牧人ひつじを〜聖しこの夜〜我らは来たりぬ〜諸人こぞりて〉
♪A.ビュノワ:〈手に負えぬ運命の女神よ〉
♪G.デュファイ:〈よき日、よき月〉
♪ジョスカン・デ・プレ:《ミサ・フェッラーラ公エルコレ》より〈キリエ〉
♪G.G.ガストルディ:《5声のバッレット集》より〈恋に落ちた男(幸せな人生に)〉

【笛ゼミ演奏会2015】
■日時:12月22日(火) 12:30~13:00
■場所:11号館1Fロビー
♪ペロティヌス(ペロタン)(1200年頃活躍):《オルガヌム大全》(12-13世紀) より 4声オルガヌム〈首長たちは集いて〉
♪ジョージ・フリデリク・ヘンデル(1685-1759):オペラ《セルセ》HWV40(1738)より〈オンブラ・マイ・フ〉
♪ダリオ・カステッロ(17世紀前半):現代様式の協奏ソナタ集》第2巻(1629)より ソナタ第16番 4声 弦楽器のため  

【笛ゼミ演奏会2014】「知らない」を、聴きに行く−文化学部ゼミ生が奏でる、ヨーロッパの美しい音楽たち。
■日時:12月23日(火・祝)12:30〜13:00
■場所:5号館1Fロビー
♪《ディヴィジョン・フルート》(1706) より〈トレッツのグラウンド〉
♪J.B.ド・ボワモルティエ (1689-1755):2つのミュゼットのための6つの組曲 作品17 (1727) 第1組曲より サラバンド、リゴードン
♪J.B.ルイエ(ド・ガン)(1688-1720頃):2つのフルートのための6つのソナタ ソナタヘ長調より ラルゴ、ヴィヴァーチェ 
♪J.S.バッハ (1685-1750):カンタータ《心と口と行いと生活が》BWV147 (1723) より コラール〈イエスは常に我が喜び〉

【笛ゼミ演奏会2013】
■日時:11月26日(火) 12:30〜13:00
■場所:11号館1Fロビー(京都産業大学)
♪G.フレスコバルディ (1583-1643):《トッカータ第2巻》(1627)より アリア〈ラ・フレスコバルダ〉 より
♪G.フレスコバルディ《カンツォン集第1巻》(1628)より:カンツォン第2番
♪ペロティヌス(1200頃活躍):《オルガヌム大全》(13世紀)より 〈アレルヤ、乙女マリアのほまれある御誕生〉 より
♪ティールマン・スザート(1500/15-1570以降):《ダンスリー 音楽本第3巻》(1551)より バス・ダンス 田園舞曲〈石を持たずに〉、パヴァーヌ〈戦い〉

【笛ゼミ演奏会2012】
■日時:12月18日(火)12:30〜13:00
■場所:京都産業大学11号館1Fロビー
♪J.S.バッハ:組曲BWV1006aより プレリュード
♪J.ダウランド:〈戻ってきて〉
♪《ディヴィジョン・フルート》より 〈グリーンスリーヴズのグラウンド〉

学生へのメッセージ

今のJ-POPやクラシックで使われている音楽用語や5線譜などの起源は、突き詰めれば中世ヨーロッパにさかのぼります。その頃の楽譜に残っているのは知識層だったキリスト教の凝った宗教曲ですが、庶民の切ないラヴソングや楽器だけの楽しい曲もたくさん演奏されていたことは絵画からわかります。もちろんそれ以前の古代ギリシア、さらにはエジプトやメソポタミアでも様々な音楽活動が描かれています。中でも、旧約聖書にはたくさんの歌がありますし(男女のラヴソングも!)、ヘブライ語の原文にはどう唱えられていたかという記号も記されています。音楽の歴史を学ぶことで、様々な時代に、様々な地域の人が、様々な言葉を使った音楽で人生を豊かにしていたことがわかります。そんなことを「笛ゼミ」で学んでみませんか?

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