教員紹介中田 美絵

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中田 美絵NAKATA MIE

文化学部 国際文化学科 准教授

学位
博士(文学)(大阪大学)
専門分野
唐代中国史、中央ユーラシア史

プロフィール

中学のとき、砂漠のなかのオアシス都市、敦煌を映像で見て衝撃を受けました。自然環境、都市のあり方、人々や文化の多様性、そこで育まれた宗教や芸術、すべてが日本とは大きく違っていました。そして、その文化の影響はシルクロードを通じてはるか日本にも及んでいたのです。こうして、ユーラシア大陸で育まれてきた中国の歴史や文化に興味を持つようになり、今に至っています。

研究テーマ

唐王朝が栄えていたころの東アジアは「女帝の時代」と言われ、中国でも皇后や公主などの宮廷の女性が活躍しました。また、唐後半期には宮廷に仕える宦官も権力をもちます。みな儒教的な価値観のなかでその周縁に置かれた人々で、これまで歴史的な評価は芳しくありませんでした。この人々は、中華世界において「夷戎」などと蔑まれた外来人と結びつきます。私はいま彼ら彼女らが政治にはたした役割の重要性と、「正統」な政治勢力との関係性を考察しています。また唐代の思想や信仰から当時の人々のメンタリティにも迫っていきたいと思っています。

研究活動・教育活動

2018年「唐代政治史上の会昌の廃仏—ジェンダー秩序・宗教・外来人の視点から—」『唐代史研究』21号
2017年「唐玄宗開元期における仏教政策と「胡」への対応」『古代の文化圏とネットワーク』竹林舎
2016年「唐代中国におけるソグド人の仏教「改宗」をめぐって」『東洋史研究』75-3
2015年「唐代訳経僧的活動和中亜地区」『粟特人在中国:考古発現与出土文献的新印証』科学出版社、上巻など

担当科目

歴史文化基礎演習、歴史文化演習Ⅰ、入門セミナー、講読セミナー、自己発見と大学生活、歴史文化資料総論、中国文化講読ⅡB
<科目の詳細はシラバス検索より>

学生へのメッセージ

「常識」とされている価値観は、ときに自分をがんじがらめに縛りつけることがあります。しかし、学問によって、その成り立ちや背景を解明し、当たり前だと思っていた「常識」から自分を解き放つことが可能となります。「正解」、「常識」とされるものを無条件に受け入れ、そのなかで安穏とするのか。それとも自分の目で判断する力を養い、真実に近づき、自分を取り囲む「常識」の壁をつき崩していくのか。大学における学びはその後の意味ある人生を生きるために必要な知的な土台を形づくります。「やらされている」といった、受け身の姿勢でのぞむのでなく、自分の意志で積極的に学問に取り組むことによって、人生を豊かなものとし、精神の自立へとつながることを願っています。

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