教員紹介平竹 耕三
プロフィール
私は京都市中京区で生まれ、幼少期を広島で過ごし、小学校6年生からは中京に戻り、京都市役所で働いてきました。最後の13年間は、文化行政に身を置き、ネーミングライツ契約の交渉も含めてロームシアター京都や京都市京セラ美術館のオープンに力を尽くし、ロームシアター京都では初代館長も務めました。祇園祭後祭の復興、大政奉還150周年記念プロジェクト、東アジア文化都市事業、本学着任後も2022年3月まではアート×サイエンス・テクノロジーで未来を拓く「KYOTO STEAM—世界文化交流祭—」事業など様々に企画し、色々な場面にも立ち会っています。
私も旅行は大好きで、2021年には、3月に岡山県矢掛町に日本最初のアルベルゴ・ディフーゾである矢掛屋を、10月に東日本大震災及び福島第一原発事故10年に当たって宮城県・福島県の被災地を、そして2022年2月には熊本県水俣市や天草を訪ねてきました。様々な人と出会い、自然の素晴らしさや人の温かさを感じるとともに、津波被害の物凄さ、原発事故や水俣病の今なお回復しない被害の現状など、多くを学びました。2022年8月にはコロナ禍後初めて海外へ出かけ、ローマで感染対策と経済復興における日本との考え方の違いも実感しました。
研究テーマ
私の住む町内は、中京区の120mほどの道の両側なのですが、ご多分に漏れず、住人の減少と高齢化が進み、土地利用が激変して2019年に相次いで2軒のホテルが開業し、1軒はコロナ禍ですぐに閉鎖されてコインパーキングになりました。まさに街の文化と観光、それらが両立するまちづくりは、私自身の問題でもあります。人が住んでこそ街なので、どうすれば街が変化を受け入れつつも永続できるのか、そのための土地の所有や利用はどうあるべきなのか、というのが学位論文以来の大きなテーマです。
京都に即していえば、どうすれば京都らしさと感じられる文化を持続可能にできるのか、地球世界に貢献するにはどういう政策を採るべきなのか、その際に観光に求められるものは何かなどについて、研究し、社会的な実践をしていきたいと考えています。
研究活動・教育活動
コロナ禍により観光だけでなく文化活動も大きな制約を受け、その影響もあって伝統文化や伝統産業の存続・発展に危機感を持っています。2021年6月からは科研費の採択を受けて、「京都の文化観光資源である花街のコロナ後における伝統産業等と相関した復興発展の研究」をテーマに3か年の予定で調査研究に取り組んでいます。
この研究と並行して広く全国を視野に入れて、地域資源を生かしつつ観光を取り入れた理想のまちづくりで地域が発展していく、そのあり方を追求し、これまでの実務経験を生かして少しでも実践的な部分で寄与できればと考えています。
教育活動に関しては、学生時代という貴重な時間を充実したものにする、記憶に残る授業、とりわけゼミ活動にするということをモットーに、京都文化学科らしい京都の町なかで学ぶ、京都の人から学ぶということを実践しています。
担当科目
<科目の詳細はシラバス検索より>
ゼミ活動テーマ
3年次以上のゼミ活動では、京都の観光の花とも言える「おもてなし」を取り上げて、その神髄に迫ります。これらを学べるフィールドを自分たちで見つけ、そこに出掛けて、現場で耳を傾け、真摯に学び、場合によっては課題を把握し、学生ならではの視点で観光・文化・まちづくりを考えていきます。