栗田 高光

KURITA TAKAMITSU
経済学部 経済学科 教授
学位
D.Phil.(オックスフォード大学)
専門分野
計量経済学

研究テーマ

計量経済学

高校生に向けた研究内容の紹介

経済・金融分野の時系列データには「非定常性」という特性がしばしば見られます。観測データから正確な情報を得るためには、この特性に配慮した慎重な統計分析が必要です。私が研究している共和分多変量自己回帰モデル(Cointegrated Vector Autoregressive Model、以下CVARモデル)は、こうした分析のために開発された計量経済モデルの一つです。

政府や中央銀行、企業などが政策や企画を立案する際、あるいは将来予測を行う際には、CVARモデルの活用が重要だと考えています。この重要性を踏まえ、様々なデータを実際に分析しながら、CVARモデルに関する諸理論をさらに発展させる研究に取り組んでいます。

ゼミナール/研究室のテーマ

経済・金融データから読み解く現代社会

このゼミでは、経済・金融データを活用し、現代社会の構造や多様な課題について探究します。データ分析の手法を体系的に習得するとともに、数値の背後にある様々な要因にも注目し、複雑化する現代社会を深く理解する力を養います。こうした学びを通じて、高度な分析力と論理的な思考力を身につけることを目指します。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミの主な内容は、経済・金融分野において各自が興味を持つ研究テーマを見つけ、自発的な学習とデータ分析に基づく考察を通じて納得のいく結論を得ることです。ゼミのキーワードは「ワクワク」です。学生一人ひとりがワクワクしながら学びを深めていくことを目指します。現代社会ではデータ分析の重要性が増しており、このゼミで身につけた知識とスキルは、卒業後どのような分野に進んでも役立つと確信しています。

プロフィール

出身は神奈川県横浜市です。大学卒業後、社会人経験と海外留学を経て、福岡の大学で勤務した後、本学に赴任しました。若い頃は登山と自転車旅行を愛するアウトドア派でしたが、研究者になってからはインドア派に変わり、現在の一番の趣味は読書です。研究分野に関する学術書はもちろん、文学や歴史に関する本も幅広く読んでいます。幅広い読書を通じて、数式では表現できない感動を味わうことが良い気分転換となっています。読書で得た知識をもとに気軽に史跡巡りができるのは、京都の大きな魅力ですね。

高校生へのメッセージ

学ぶことを楽しむ姿勢を大切にして下さい。勉強は、資格取得やテスト対策など、何らかの目的達成の手段になりがちです。こうした勉強はもちろん重要なのですが、それだけでは学ぶことが苦痛になりやすく、本当に役立つ知恵は身につきにくい気がします。若い頃から楽しみながら学ぶ姿勢を大切にしていくと、生涯を通じて成長し続ける人になれると思います。