森永 泰史

MORINAGA YASUFUMI
経営学部 マネジメント学科 教授
学位
博士(経営学)
専門分野
製品開発論、デザインマネジメント

研究テーマ

デザインマネジメント

高校生に向けた研究内容の紹介

私の研究テーマは「企業経営とデザイン」です。ここでいうデザインとはモノの形のことで、「この商品、デザインがいいね」などという時のデザインを指しています。デザインが良くない商品は売れないという意見には賛成してもらえると思いますが、どうすれば「良いデザイン」を作ることが出来るのでしょうか? それどころか、そもそも「良いデザイン」とはどのようなものなのでしょうか? このようなことを日々考えながら研究に励んでいます。

デザイン・シンキングの実践-「チョロQ」の新たな使い方を提案する

ものづくりコンペで出された「ナンセンスなものを作りなさい」という課題に対して、学生たちは「チョロQの新しい使い方」をベースに提案。絵の具をつけて紙の上を走らせることで、チョロQに本来とは違う新たな価値を生み出した。

既存のイメージを捨て、新しい価値を生み出す

デザイン・シンキングとは物事の本質を捉えて創造的な解決策を導くことです。ありのままを捉えて必要な情報を選択し、新しいものを創り出す。いわゆるデザイナーのようにクリエイティブな問題解決能力を持つ人材を育てることを目標としています。例えばオモチャの「チョロQ」で新しい使い方を提案できないか? 日常にあるモノの価値観を変える“横道にそれる学び”によって、社会に出た時に役立つ柔軟性を養います。

Column先輩の声

経営学は「実践」で身に付く。

森永ゼミでは複数のプロジェクトが進行していて、私は「ゼミのSNSアカウントを運用する」活動に携わっています。このゼミならではの情報発信とは何か、どんなアプローチをすればフォロワーが増えるか。企画から構成、目的の再定義までグループ8人でディスカッションを繰り返す日々です。ゼミとは、学生に与えられた実践の場です。ただ講義で学んだことをアウトプットするにしても、「知る」と「行う」では大違い。例えば、市場分析という最初にやるべき工程を後回しにした結果「あ、この情報が足りない」と途中で行き詰まることもあります。
頭の中では分かったつもりになっていても、実際に動いて初めて基本的なアプローチの重要性に気付いたり、「そうだ、経営学はリアルと直結する学問なんだ」と改めて実感したりする瞬間でもあります。
知る「講義」と実践する「ゼミ」。この両輪の学びによって、社会で役立つ力を身に付けていけるのだと感じています。

マネジメント学科 2年次
久山 菜々子さん

※掲載内容は取材当時のものです。

ゼミナール/研究室のテーマ

デザイン・シンキングの実践

グループ単位で商品開発やマーケティングに挑戦します。日頃から社会・経済に関するニュースに関心を払いながら学生が自主的にテーマを設定しますが、企業・店舗訪問は必須としています。例えば、大手アパレル企業数社の店舗をリサーチし、比較する研究などに取組んでいます。

ゼミ/卒業研究の紹介

私のゼミの目標は、「コミュニケーション力」と「洞察力」を鍛えることです。そのため、ゼミではプレゼンテーションの練習を行い、徐々にコミュニケーション力のレベルを上げていきます。また、洞察力を鍛えるためのプロジェクトも展開しています。例えば、3本足の未知の生物を考えてもらい、その生物のための自転車をグループ単位で議論して、成果を発表してもらったり、実際に店舗を訪れ、店作りを比較してもらったりします。

プロフィール

関西生まれの関西育ちですが、大学教員となってからは、11年間札幌に赴任していました。特技と言えるほどの大したものはありませんが、敢えて言うなら、街中で見かける車の名前をほぼすべて言えることと(時には、そのデザインを手がけたデザイナーの名前も言える)、共感覚を持っていることくらいでしょうか。

高校生へのメッセージ

人生は直線的には進みません。予想外の道に進むことも多々あるため、自分の未来を狭く捉えないでください。私の場合は元々、美術大学に行きたかったのですが、挫折しました。また、公認会計士資格の取得も目指しましたが、それにも挫折しました。このように何度も挫折を経験しましたが、公認会計士の試験科目の経営学に興味が湧き、大学院へと進学しました。そして、研究テーマ探しの際に、もともと興味のあったデザインを経営学でどう扱っているのかと思いつき、現在に至っています。