研究テーマ
簿記・会計の歴史的研究
高校生に向けた研究内容の紹介
簿記・会計の研究をしています。簿記というと数字を扱うというだけで、なんとなく近寄りがたく距離を置く方も多いかと思いますが、そうではありません。商人たちが長い時間をかけて編み出した知恵であり、身近なスキルです。会社の経営の中身を数字で見える化してくれますし、複式簿記はどこの国でも同じルールで、いわば経済的な世界言語です。つまり、単語さえ置き換えれば世界のどこの企業についてもわかる便利なツールです。私はそんな簿記・会計を歴史的に研究しています。簿記および財務会計の研究-簿記はグローバル言語。世界と意思疎通を図り社会を見つめる力を養う
簿記および財務会計の研究-簿記はグローバル言語。世界と意思疎通を図り社会を見つめる力を養う
世の中のほとんどの組織や経済活動は、会計とは切り離せない関係にあります。つまり、会計を理解することは、社会をより深く理解することにつながるのです。また、簿記はグローバル言語。会計の基礎である「複式簿記」は世界で使われているからです。会計という世界共通の言語を修得しておくことは、これからのグローバル人材には大きな強みになるでしょう。さらに、「複式」すなわち物事を両面から眺めるという簿記・会計の考え方は、多様化する世の中を生き抜くうえで有効なツールになるはずです。ゼミでは日頃の学びをWebやSNSで学外へ発信しているほか、他大学との合同合宿も行っています。これらの活動を通してたくさんの刺激を受けながら、会計的な視点で社会を見つめる力を養っています。
ゼミナール/研究室のテーマ
簿記および財務会計の研究
簿記は企業の経営活動を記録する手段であり、財務会計はその記録をもとに企業の成績表である財務諸表をどのように作成・報告するかを考えます。このゼミでは、簿記および財務会計の知識を修得するとともに、理論・制度・歴史の観点から体系的に研究します。
ゼミ/卒業研究の紹介
企業の経営成績や財政状態を知ることができる必須の知識です。なお、その知識を利用して企業分析や業界分析などの共同研究も行っています。簿記は会計を学ぶ上で必要な知識ですので、検定試験に合格できるよう自主的に勉強会も行っています。大学の会計のゼミを出たと胸を張って言える実力をつけることを目標として、自己満足にならないよう、コンペへの出場や他大学との合同研究会を開催しています。
プロフィール
大阪の住吉大社の近くで生まれ育ち、勉強はあまりしませんでしたが、好奇心は旺盛で読書量だけは同級生に負けていなかったと思います。40年近く前に本学に入学し、勉強に身が入らず中退(除籍)、再入学と迷いながら回り道をして本学を卒業。大学で出会った先生のおかげで勉強が面白くなり、大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院、神戸大学大学院を修了して博士号を取得。3つの短大・大学の教員を経て本学に戻ってきました。
高校生へのメッセージ
文学部志望でしたが、やっと合格したのは経営学部でした。そこで簿記・会計に出会い、最初は正直面白くなかったのですが、学んでいくうちに役に立つだけではなく、とても人間臭い学問だと思うようになり、大学院に進学して会計史の研究者になろうと決めました。研究者になれるかどうかは考えませんでした。迷ったらやる。何とかなる。私自身がそういう性格でしたので、学生さんのチャレンジも応援したいと思っています。