研究科長メッセージ

京都から、地域社会・国際社会の未来をつくる人材を

京都文化学研究科 研究科長 村上 忠喜
平安京建都以来、1200年の長きにわたって都市であり続けた京都。この地で育まれた文化は、京都という地域の文化であると同時に、日本のスタンダード文化の母体として捉えることが可能です。もちろん列島には多様な自然や、それを利用した人々の生業や生活の歴史が豊かに育まれてきました。一方でそうした多様な文化をゆるやかにまとめあげてきたスタンダード文化もあり、それを揺籃した最大の中心地がここ京都です。
世界の歴史都市は、自らの都市機能を変化させながら存続してきました。京都も同様に、政治都市、商工業都市、宗教都市、観光都市、学問府、と様々な機能を身にまといながら現在に至っています。ただそれが、山城盆地の北隅という、さして広くもない空間において千年以上にわたって続いてきたことに一種の奇跡を感じます。ヒューマンサイズの空間で、京都内外の人々が交り合いながら、建築、美術、工芸、思想、文芸、芸能、宗教、儀礼、祭礼等、有形・無形の文化を生み出してきたわけです。そして現在でもなお継承し続ける実態を目の当たりにできることは、京都で文化を学ぶ最大の魅力であり、世界中の研究者や観光客を惹きつけてやみません。

本研究科では、文献史学、文学といった文献学的な学びと、文化財、伝統産業、パフォーミング・アーツといった実学的な学びを通して、京都を文化的に理解する視点、方法、知識を習得します。その学びのプロセスをとおして、京都文化、ひいては日本文化の維持や発展を担う専門人材、地域社会や国際社会のなかで課題解決の現場に携わることのできる研究者や職業人を育成します。他に類のない本研究科で、京都文化学を専門とする多彩な教授陣とともに学んでみませんか。
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