開講科目

A.基礎科目

京都文化学研究基礎論

京都文化学の基礎的事項に関する知識とともに、さまざまな研究課題や研究手法により、研究の基本を身に付ける。基礎論Aでは、特に文献学的手法をとる歴史・地理・文学を中心に、基礎論Bでは、伝統文化・伝統産業・伝統芸能から文化財・考古学まで、多岐に及ぶ。

B.展開科目

歴史地理学

歴史地理学における歴史的都市研究の成果を基礎に平安京の変容について学ぶ。また、古代都市平安京が近世都市、ひいては現代の京都へと変容を遂げたプロセスを歴史地理学の視点から考察する。

王朝文学論

平安時代を通じて連綿と継続され完成を見た、王朝文学の美意識とその発見・再発見、さらに美的価値の新たな創造・再生産について学ぶ。古典文学研究の実証研究の方法について王朝文学と京都(平安京)の関連を有機的に把握することを目指す。

伝統産業論

京都における伝統産業の成り立ちから昨今の伝統産業の現状について幅広く講義を行ない、基礎的な知識の習得を目指す。伝統産業のものづくり(産業)の変遷から学んだことを基軸に、当該分野の文献講読を通じて、機械産業が主となった現代において、手工業的産業が持つ意味とは何であるのかについて、様々な事例を取り上げ、考察を加える手法を通じて学ぶ。

古代史

長岡京・平安京研究の最新の成果について学ぶ。特に都市史の視点から、日本古代都市の到達点として長岡京・平安京を位置づけ、その歴史的性格を考察する。また、長岡京・平安京研究の実証研究の方法について学ぶ。

近世史

平安時代や室町時代に比べ印象が薄い近世の京都について、いくつかのトピックスを取り上げ、また、近世京都に関するトピックスのうち、朝廷・寺社・名所と観光などに関するテーマを中心に、研究手法にもふれながら学ぶ。

近現代史

京都の近現代(明治・大正期)の社会政策・社会問題研究の最新成果について、また、京都の近現代(昭和前期・後期)の社会政策・社会問題研究の方法について学ぶ。

民俗文化論

日本民俗学の研究手法や研究動向にもふれながら、京都の年中行事についていくつか取り上げる。また、京都の庶民生活文化を取り上げ学ぶ。

文化財論

研究方法や研究動向にもふれながら、代表的な京都の文化財である平等院と三十三間堂を事例に、「京都の文化財—受難と再生の歴史—」をテーマに学ぶ。また、京都の文化財のうち、寺社に伝来する膨大・無数の絵画・彫刻・工芸品や古文書などの資料を中心に学ぶ。

伝統芸能論

現代の能楽を対象とし、能の実演分析及び京都における能楽を文化情報学的観点から世界に発信する事を目的とする。現在のデータベースやWEBサイトを調査しつつ、京都文化としての能楽の国内外普及と研究のために新しいWEBリソースを作成していく。

歴史考古学

発掘庭園をベースにした庭園の歴史研究について、発掘庭園資料の特徴、調査報告書の読み解き、資史料と検出遺構の整合や問題点を考察する。また、京都や全国各地で実施されている発掘調査を概観し、問題点の所在を明らかにする。

C.演習科目

京都文化特論演習Ⅰ

京都文化に関する修士論文(または特定課題研究報告書)で取り上げる研究テーマの模索・検討等、第1段階の研究指導を行う。学生はスクーリングを含め、研究指導教員との議論を通じて、学期末までに研究テーマを絞り込む。

京都文化特論演習Ⅱ

京都文化に関する修士論文(または特定課題研究報告書)について、「京都文化特論演習Ⅰ」を踏まえて、第2段階の研究指導を行う。学生はスクーリングを含め、研究指導教員との議論を通じて、学期末には研究報告の成果をレポートにまとめながら、修士論文(または特定課題研究報告書)で取り上げる研究テーマを確定する。

京都文化特論演習Ⅲ

京都文化に関する修士論文(または特定課題研究報告書)について、「京都文化特論演習Ⅰ・Ⅱ」を踏まえて、第3段階の研究指導を行う。学生はスクーリングを含め、研究指導教員との議論を通じて、学期末には修士論文(または特定課題研究報告書)の仮構想を策定し、執筆に向けての課題を明確化する。

京都文化特論演習Ⅳ

京都文化に関する修士論文(または特定課題研究報告書)について、「京都文化特論演習Ⅰ~Ⅲ」を踏まえて、第4段階(最終段階)の研究指導を行う。学生は、中間報告会での議論などを通して、完成度の高い修士論文(または特定課題研究報告書)の執筆・完成を目指す。

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