先輩の学び(ロシア語専攻)
ロシア語のルーツを研究し、
その魅力を伝える存在になりたい。
Ученье свет, а неученье тьма
「学問は光、無学は闇」
ロシアのことわざです。学ぶことで生活が明るくなり、
勉強をしないと先が真っ暗になるというメッセージが込められています。
私はこの言葉を胸に、明るい未来が待っていると信じ、大学での勉強に励んでいます。
もともとロシアの音楽が好きで、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」、民謡歌曲「カチューシャ」を好んで聴いていました。巻き舌を使う勢いのある発音にも惹かれ、大学ではロシア語を学びたいと考えるようになりました。京都産業大学を選んだのは、ネイティブスピーカーの教員から生きたロシア語を学べる上に、ロシアの留学生とも交流できる機会に恵まれていると思ったからでした。
入学後は、ロシア語の文法や発音、会話表現を基礎から学習します。ロシア人の先生と積極的に会話し、着実にロシア語を身に付けていきました。学内にはロシアやベラルーシ出身の留学生も多く、同年代の彼らとロシア語で語り合う時間はとても刺激的です。キャンパス内でも国を越えて交流できるのは、国際性に富んだ京都産業大学だからこそ。語学力の向上や自分の成長を実感しつつ、ロシア語を学ぶ楽しさにどんどん夢中になっていきます。
日本人にとってロシア語を習得すること事は大変難しく、言語の成り立ちについても謎が多いといわれています。その謎について、より深い研究を行うため、卒業後は大学院に進学してロシア語をより専門的に学びたいと考えています。ルーツを探ることでロシア語の謎が解き明かされ、ロシア語がより身近で習得しやすい言語になるかもしれません。将来的には大学教員になってロシア語を教えながら、学生たちにロシア語の魅力を伝えていきたいです。
ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 4年次
船山 凌雅さん
※掲載内容は取材当時のものです。
難民の現状を見て気づいた
ロシアの言葉、歴史、文化を学ぶ意義
Горе не море
「悲しみは海ではない」
悲しいことは海のようにどこまでも続くものではないから、
嘆いていてもしょうがないと思わせてくれる、前向きになれる言葉です。
他の言語にはない、どこかクールな雰囲気を持つロシア語。私が大学でロシア語を学ぼうと思ったのは、独特の「かっこよさ」に惹かれたからです。
ヨーロッパ圏の言語の中でもロシア語を専攻する人は、決して多くありません。だからこそ、ロシアの言葉や歴史を本格的に学びたいという、人とは違う情熱を持つ仲間たちと切磋琢磨できるのがこの専攻の魅力です。ロシア語専攻は少人数を生かしたプレゼンテーション形式の授業が多く、学んだロシア語をアウトプットする機会にも恵まれました。
ボランティア活動に参加時のもの(前列右から3番目が木村さん)
現在に至るまでロシアは、世界の国々に対して常に大きな影響力を持ち続けています。私たち日本人にも決して無関係ではありません。だからこそロシアの言葉や歴史、文化を学ぶことには意義があるはず。ゆくゆくは現地での生活も経験し、さらに言語・文化への理解を深めたいと思っています。
ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 4年次
木村 コズマさん
※掲載内容は取材当時のものです。
謎解きのような面白さ。
世界一難解な言語にハマります。
Никто кроме нас
「私たちの他に誰もいない」
人の結束を促す、ロシア語らしい力強い言葉です。
世界一難しいといわれるロシア語。1年次に読み・書き・発音・文法などすべての基礎をみっちり教わりますが、スムーズに会話ができるようになるには、さらに数年の実践経験が必要です。最初は多様な語形変化や、見慣れないキリル文字にも戸惑うかもしれません。
しかし難解さも裏を返せば、それだけ緻密で重厚な美しさを備えているということ。たとえば昔のロシア文学を直訳すると、現代の言葉では説明できない独特な言い回しが多いことに気付きます。夏目漱石が英語の「I LOVE YOU」を日本語で「月がきれいですね」と訳したのと同じように、ロシア語にも、表面的には見えない別の意図が隠されている言葉が非常に多い。それらを1つずつひもといていく謎解きのような面白さも、ロシア語を学ぶ醍醐味だと思います。
さらに日本ではロシア語を扱える人が少なく、実は進路・就職に関しても習得するメリットはかなり大きい。一見とっつきにくく見えますが、覚悟を決めて進めば、美しい景色が広がる言語です。
ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 3年次
酒井 裕資さん
※掲載内容は取材当時のものです。
言語の学びの先に見たのは
日本人が知らないロシアの意外な姿。
Я люблю тебя
「大好き!」
ロシアでできた友人との恋バナ中に教わった、ロシア語の「アイラブユー」。
友人同士でもよく使っています。
ロシア語は、世界一難しいといわれる言語。主語や目的語といった格に応じて動詞や名詞の語尾を変化させる格変化が無数にあり、それらを覚えなければ始まりません。マイナーな言語に興味があって選んだロシア語でしたが、いきなり高い壁にぶつかりました。
1年次はとにかく基礎の積み重ね。友人と協力して単語や発音を覚えるなど、自主的に勉強をする機会も多かったです。それでもがむしゃらに学ぶほどに「これだけやっているのだから絶対に修得する」という気持ちが強くなり、モチベーションを保つことができました。逆境ほど燃えるタイプの人は、ロシア語を学ぶのに向いているかもしれません。
また言語と同時にロシアの社会についても学びますが、日本との両国に横たわるのは友好の歴史だけではありません。戦争や領土問題など課題も多い。でも実際にロシアを訪れてみると「平和的解決を望んでいる」「両国にとって最も有効な解決策を探ろう」といった意見も多く聞くことができました。
なにより現地を案内してくれたロシアの学生たちは優しく、ロシア料理はおいしい。必要なのはやはり対話であり、そういった意味でも言語を学ぶことの意義を実感した研修でもありました。
帰国後はロシアの政治や文化に興味を持って、学びをさらに掘り下げるように。言語修得の難易度の高さに挫けそうになることもありましたが、それでも諦めず机に向かえたのはロシアを知るたびに好きになれたから。今でもロシアが大好きです。
ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻 3年次
長島 千紘さん
※掲載内容は取材当時のものです。
繊細かつクールな言語。
でも、寄り添うほどに温かい。
複雑だからこそのやりがい
一筋縄ではいかない。だから面白いんです。ロシア語は選ぶ単語によりニュアンスが大きく変わります。アイロニックな言い回しも多いので、言葉の裏の部分をくみとることも必要。そんな推理ゲームのような部分に引かれ、のめり込みました。
特に、サンクトペテルブルク国立大学への長期留学は忘れられません。
10カ月の滞在期間中に、知人のロシア人の家庭にお世話になる機会がありました。外国人がめったに訪れない田舎の集落だったので、日本の講演会に招待されたり、図書館で日本語の授業をやらせてもらったり、思いがけない出来事がたくさんありました。
そんな中でロシア語も上達し、地元の人と過ごすうちに、最初はとっつきにくかったロシアの人も本当はとても情が深いことが分かりました。ロシア語は寄り添うほどに奥深く、温かい。学ぶほどに、チャレンジ精神がかき立てられる言語です。
ヨーロッパ言語学科 ロシア語専攻4年次
瀬田 隆誠さん
※掲載内容は取材当時のものです。