基礎知識と必要な配慮

ここでは、LGBTやSOGIといった用語の基礎知識や、注意が必要な言葉や概念、カミングアウトとアウティングについて注意しなければならないこと、必要な配慮を記載しています。

1. LGBTおよびSOGIとは

LGBTとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは異なる性を自認する人)の頭文字から取った言葉で、性的少数者の人たちを表す言葉として用いられることがあります。さらに海外では、LGBTQIA+と表すことがあります。クイア(セクシュアルマイノリティの総称として使われる)、クエスチョニング(自分の性別がわからない・意図的に決めていない・決まっていない人)、インターセックス(生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人)、アセクシュアル(誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人)、プラス(これらに加えて、名前のついていない性やそれ以外の性)を表します。

そもそも、性のあり方は以下の4つの性の要素により構成されています。

  • 戸籍の性:出生時に割り当てられた性別をもとに戸籍等に記載された性別
  • 性自認:自分の性別をどう認識しているか
  • 性的指向:恋愛感情や性的な関心のあり方
  • 性表現:服装や仕草等、自分の性をどう表現するか

このうち、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった「SOGI(ソジ)」という属性を示す言葉が用いられることもあります。SOGIとは異性愛の人などを含めてすべての人がもっている属性を指す言葉です。

2. 注意が必要な言葉や概念

「性」に関する言葉の中には、歴史的に侮蔑的な意味合いで使われてきた言葉もあります。また、現状に合わない言葉もあり、使用する際には注意が必要です。

オカマ いわゆる「女っぽい男」等を指す言葉だが、侮蔑的なニュアンスが強い。
オナベ いわゆる「男っぽい女」等を指す言葉だが、侮蔑的なニュアンスが強い。
おとこおんな いわゆる「男っぽい女」等を指す言葉だが、オカマやオナベと同様に侮蔑的なニュアンスを含む。
オネエ 女性的に振る舞う男性で、ゲイに限らない。
ニューハーフ 主に飲食店やショービジネス界で働くトランスジェンダー女性を指す。トランスジェンダー当事者の中には侮蔑的と感じる人がいる。
レズ レズビアンの短縮形だが、歴史的に侮蔑的な意味合いで使われてきたため避けるべき言葉。
ホモ ゲイを指すことが多い言葉だが、歴史的に侮蔑的な意味合いで使われてきたため侮蔑的なニュアンスが強い。

※ただし、当事者の中には、上記の各用語をあえて使う人もいます。また、時代や社会、文化によって使い方はことなることもあります。

3. カミングアウトとアウティング

自分の性のあり方を自覚し、誰かに伝えることを「カミングアウト」と言います。また、本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露してしまうことを「アウティング」と言います。アウティングは、プライバシーの侵害につながり、生命に関わる程の深刻な影響をもたらす可能性があります。LGBTの当事者から、相談を受けた場合はアウティングとならないよう細心の注意が必要です。

4. 必要な配慮

  • 性的少数者がいることを前提として接する必要があります。
  • 異性愛や性別二元論を前提として話すなど、当事者の存在を否定するような言動は行わないでください。
  • 見た目や氏名で相手の性自認や性的指向を決めつけないでください。
  • 他者を呼びかける場合、性別によって敬称を使い分けることがないようにしましょう。また、本人の希望に添った敬称を用いましょう。
  • 氏名から推定される性別と外見の性別が異なることもあります。氏名の公開が必要な場合は配慮が必要です。
  • 差別的なニュアンスを持つ言葉は使わないようにしましょう。

出典

  • 「LGBT報道ガイドライン-性的指向・性自認の視点から」(2019年3月7日発行)
  • 性的指向および性自認等により困難を抱いている当事者に関する法整備のための全国連合会(通称:LGBT法連合会)
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