民族の対立、異文化間の摩擦、国家間の利害の衝突……。冷戦後の世界は、無秩序が広がり、混乱が増加しているように見えます。これまでは国家が国際関係の主役を担ってきました。しかし現在は、多国籍企業や国際的に活動するNGOやNPO、さらには国際貢献を行う個人にまで、その担い手は広がっています。また、ブラジル・ロシア・インド・中国(BRICs)をはじめとした国が飛躍的に経済成長を遂げる一方、地球規模で環境問題への対策が急がれています。日本国内の企業においても、日本から世界へ、また世界から日本へ、活動の場を広げており、今後ますます国際競争力が重要になるでしょう。
こうしたグローバル化が急速に進む今、社会のあらゆる場面において、高度な言語能力と国際感覚を備えた人材が強く求められているのです。新設の国際関係学科では、外国語学部ならではの高度な語学教育と、総合大学の英知を集結した国際関係学の専門教育を融合させ、高い英語運用能力と国際情勢への対応力を養います。

宗教、歴史、文化、政治、経済など、さまざまな問題が絡み合う国際関係を読み解くには、複眼的な視点が必要です。国際関係学科では、「国際関係科目」「トランスナショナル科目」「地域科目」を3つの柱としてカリキュラムを編成し、経済学や経営学、法学、文化学など、総合大学ならではのメリットを生かした科目も開講します。1学年80名の学生に対して教員13名という、きめ細かな指導体制が学びの特色です。複雑な世界の様相を捉えて分析し、問題の本質を探り出して解決策を考える、そんなダイナミックな学びを展開します。この充実したカリキュラムを存分に活用してください。
国際関係学科から広がる進路はきわめて多種多様です。外交、国際機関、国際ビジネス、マスメディア、NGO・NPO、観光などの分野で世界を舞台に活躍することをめざします。さまざまな進路目標に応じた科目履修のモデルケースを用意していますので、学びながらきっと自分の将来像が見えてくるはずです。ここから、皆さんが世界へと羽ばたいていくことを期待しています。
さまざまな国の人々とコミュニケーションをとり、幅広い視野を持つ人材。複雑な国際関係を読み解き、国際理解・国際協力を進めることのできる人材。つまり、英語に堪能で、国際社会の急速な変化と一層複雑化する国際情勢に対応できる「真の国際人」こそが、国際関係学科が育成しようとする人材です。グローバル化の進展により、国内の数多くの企業が海外とかかわるようになっています。外国語の力を身に付け、国際関係に精通した人材が活躍できるフィールドは、今後さらに拡大していくことでしょう。