平成20年度 後期 教養講座(水曜日開講講座)

2008.12.10

 12月3日、12月10日の2日間、文化学部の井上満郎教授・同若松正志教授が『京都の歴史の国際性』をテーマに教養講座を実施した。

 1日目、第1講座では、井上教授が「源氏物語時代京都の国際性」をテーマに、平安時代はかな文字の登場や大和魂という言葉も生まれるなど国風文化のイメージが強いが、それは京都と唐の関係において、遣唐使の廃止によって国交が無くなったからではなく、民間の貿易は盛んに行われており唐の物・人が日本に影響を与え、その時に日本文化とは何かという思想が芽生えたからではないかと述べた。

 第2講座では、若松教授が「近世京都の産業と国際性」をテーマに、近世京都の工芸や手工業などの伝統産業が日本における中心地であったことや、江戸時代、オランダ人が京都を観光する様子など、簡単なクイズも交えながら近世京都について講義した。

 2日目の現地見学会では、「京都の歴史の国際性に関する史跡を巡る」をキーコンセプトに史跡の散策を行った。

東寺をスタート地点とし、キリシタン史跡巡り(キリスト教文化資料館・旧本能寺・南蛮寺)、近代西洋ウォッチング(三条通・本能寺・高瀬川)など盛りだくさんの見学会となった。

 見学終了後、受講生から「座学と現地見学会の組み合わせが理解を助けてくれる」「京都の中に思わぬ異国の姿が見えて興味深かった」などの感想が述べられた。
源氏物語時代京都の国際性について講義される井上先生
東寺の国際性の解説を熱心に聞き入る受講生
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