今週の学長のことば(2009年7月・8月)

 

2009年8月31日

ひとりで散歩を

脳の思いがけない発想をつかさどる部位と軽い運動をつかさどる部位は隣接しているらしい。散歩はものを考えるときに良い刺激に。もちろん、そんなときはひとりで、30分から60分。

 

2009年8月24日

時代や社会の色あいは変転する

昨今は、経済、社会状況が混迷を極めている。悲観的な論調にあふれているが、それに惑わされないこと。時代や社会の色合いは変転極まりない。予測は外れるものと相場が決まっている。楽観的な言説に浮かれず、悲観的な言説に落ちこまない。一喜一憂せぬ心構えを持ちたい。

 

2009年8月17日

成長は心構えにかかっている

若いときの成長や変貌は非常に早い。三日も会わなかったら、次にその人と会うときには目を瞠って会いなさい、見違えるような変貌を遂げているから、という意味の言葉が古い中国にある。さすがに三日間で大きく変貌を遂げた例はないが、一年ぶりに会って、そのめざましい成長ぶりに驚嘆した実例ならたくさんある。自主的に取り組むかどうかの心構え一つにかかっている。

 

2009年8月10日

「なぜ」 Part 2

益川敏英先生は、宇宙や自然界の謎や神秘に興味やあこがれを持つことが大切だとおっしゃった。謎や神秘は日常の身辺にも転がっている。そして、その「なぜ」には、興味のほかに、疑問の意味もある。疑問は批判にもつながる。批判的精神は、現状や日常を破るための匕首(あいくち)である。

 

2009年8月3日

「なぜ」

社会人基礎力として求められている「傾聴力」とは、人の話に耳を傾けることのできる能力。「聴従」ではない。お説教ではあるまいし、無条件に従う必要はない。授業でも、しっかり聴き入ることは大切だが、「なぜだろう」という興味、そして疑問を持つことが大切。どこかに「なぜ」はないかと、気持を入れて聴くこと。質問は、と訊かれてから、おさらいしていたのでは遅い。

 

2009年7月27日

精神の骨組みをつくる

学びであってもクラブ活動であっても、自発的に考え、苦しみながらも力を尽くしたことは、その念願が成就できたか否かに関わらず、その後の生き方の精神的な骨組みを作る。

 

2009年7月20日

人生はものの弾みの積み重ね

人生は偶々とか、ものの弾みの積み重ね。偶々には、チャンスもあれば、落とし穴もある。チャンスをつかむかどうかは決断しだい。逆に、ほんの些細な不注意(「蟻の一穴」)から思わぬ致命的な落とし穴にはまることもある。慶事に浮かれていると、蟻のあけた小さな穴に気がつかない。

 

2009年7月13日

生きているのは現在

自分の未来を拓き、自分の可能性を開拓する鍵は、現在の自分の足元や周辺にしかない。現在をしっかり見つめ、力を尽くすことなしに、拓くべき未来はない。いま、この学生時代を、どのような思いをもって過ごすか、その過ごし方が将来の人生を決定すると言っても過言ではない。

 

2009年7月9日

コミュニケーション能力

社会人として必要な基本能力の一つは、「コミュニケーション能力」。別にぺらぺらしゃべる能力のことではない。まず、話し相手の発言を正確に受けとめること。正確に理解もせずに、あるいは故意に曲解して、自分の願望をまじえて意見を述べることは妄言と言い、「社会人基礎力」以前の恥じるべき行為である。妄言に振りまわされぬ判断力も、社会人基礎力の一つである。