今週の学長のことば
2010年3月15日
修得した方法論は人生に役立つ
大学で修得した知識や知の体系がそのまま社会で役立つものとは限らぬが、修得の過程で身につけた方法論、特定のテーマを理解し、分析する方法論は、今後の人生でかならず役に立つ。大学で専門以外にも様々な分野を学び、様々な方法論を学ぶが、「これが何の役に立つか」とは考えないこと。
2010年3月8日
我楽苦多 王蒙氏の2
王蒙氏を京都清水に案内した際、小間物屋の看板に目をとめた王蒙氏は呵呵大笑された。「我楽苦多(がらくた)」。我苦しみの多きを楽しみとする、という意味の立派な中国語として読むことができる。ふつう漢字を当てるなら「我楽多」だろう。我が楽しみ多し。「苦」字を特に加えた店主にも偶々ではない、意思を感じる。機知に富む精神。いまも「我楽苦多」屋さんは健在だろうか。
2010年3月1日
嵯峨野 王蒙氏の1
漢字の国、中国の著名な作家王蒙氏を京都観光に案内した際のエピソード。京都来訪は2度目だというので、前回いちばん印象に残った京都は、との質問に、そくざに「嵯峨野」だと答えられた。その理由がふるっていた。「人生そのものだから」。掛けことばの駄洒落であって、「嵯峨」は古語で山の起伏の険しいさま。「野」は「也」と同音。人生は起伏の険しい山のよう、というのがそのココロ。王蒙氏は、確かに何度も起伏の激しい浮沈を経験されてきた。
学長 坂井 東洋男