温室効果ガスである二酸化炭素が排出される量と、森林などが二酸化炭素を吸収する量を同じにすることで、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする。そんな取り組みのことをカーボンニュートラルといいます。排出の抑制だけでなく、吸収の促進に力を入れる点がポイント。たとえば、二酸化炭素を空気中へ捨てるのではなく、資源として活用する「カーボンリサイクル」。これを推進することで、温室効果ガスの削減をめざす動きもあります。
人口減少にともない、各地で空き家が増えています。放置された空き家は倒壊のリスクなどがあり、早めの処理が望まれます。自治体の判断で解体して所有者に解体費用を請求することもできますが、そもそも所有者不明なケースが多く、処理は進んでいません。2021年、空き家の所有者をはっきりさせる法改正が行われました。さらに、空き家をリフォームしてカフェや事務所として貸し出し、地域活性化につなげる動きも進んでいます。

2020年度の日本の食料自給率は、カロリーベースで約37%。比較ができる1965年以降で最低の割合でした。ちなみに、アメリカは約132%、ドイツは約86%、イギリスは約65%。他の先進国と比べても非常に低い水準です。今後、もしも食料の輸入が制限されるような事態が起これば、重大な国際問題に発展しかねません。食料自給率を上げるためには、生産者を支える対策が必要。また、消費者の意識を育み、みんなでこの問題と向き合うことが重要です。

グリーンツーリズムとは、都市で暮らす人が農村や漁村へ行き、農業や漁業を体験したり、自然を満喫したりする旅行のこと。農家でホームステイをしたり、郷土料理をつくったり、農園を散策したり、いろいろなプログラムがあります。グリーンツーリズムの特長は、観光資源が少ない農村・漁村でも観光客を招くことができること。農業・漁業への理解を広げることにもつながります。日本の第一次産業を元気にする力になるかもしれません。

農業を成功させるには、大勢の人手と長年の経験が必要だといわれてきました。しかし、高齢化と人手不足が進む中、従来のやり方では農業が立ち行かなくなってきています。この問題の解決策として期待されているのが、ICTなどを駆使して行う「スマート農業」です。国や自治体は、補助金制度などを導入して、スマート農業化を積極的にサポート。未経験の若者でも、ICTの力で効率的に高品質な作物がつくれるように支援しています。

2020年、日本で初めてゲノム編集食品の販売が認められました。ゲノム編集とは、生物の遺伝子情報全体を指す「ゲノム」の塩基配列を変化させること。短期間・低コストで品種改良できる利点があります。ただ、未知の健康リスクを懸念する人も多く、ゲノム編集食品であることの表示を義務づけてほしいという意見も。現状では、輸入食品がゲノム編集食品であるかどうかも分かりません。今後は、法整備を求める声が大きくなっていきそうです。

ワーケーションとは、旅行先などで仕事をすることです。新しい生活様式「ニューノーマル」が浸透し、時間や場所にとらわれずに働くスタイルが広がることで、注目されるようになりました。最近は、ワーケーションができる設備を整えたうえで、豊かな自然に囲まれて仕事ができることをアピールする観光地も増えています。ワーケーションが、地方の観光産業を発展させることや、自然環境への関心を高めるきっかけになるかもしれません。

気候変動によって引き起こされる洪水や熱波などは、人々の命を危険にさらす脅威になります。また、このような災害は水不足や食糧難を招き、紛争の火種になることもあります。さらに、野生生物など、生態系への深刻な影響も無視できません。近頃は、「気候変動」に代わって「気候危機」という言葉が使われるようになりました。私たちは、気候変動の仕組みを理解し、それを生む社会の仕組みを見直し、未来に向けて行動を始めなければなりません。

トラベルテックとは、「旅行」と「テクノロジー」を組み合わせた言葉。旅の準備から訪れた先での行動、帰宅後まで、旅に関わるあらゆることをオンラインでつなぎ、快適な旅を実現しよう、という動きが広がっています。これまでにある宿泊やチケットの予約・決済はもちろん、ツアー検索や自動翻訳、データ解析、地域の観光開発など。ITテクノロジーの活用に、コロナ禍からの立ち直りをめざす旅行・観光業界の期待がかかっています。

セレクトショップで、おしゃれなパッケージのお菓子を手にしたら「昆虫食」でビックリ、なんて経験はありませんか。これまで一部地域の伝統食だった昆虫が、流行に敏感な若者に人気の次世代スーパーフードに。そのきっかけとして、国連の機関が昆虫食を食糧問題の解決策に挙げたことがあります。実際に、牛や豚、魚を育てるよりも環境への負荷が小さく、栄養価に優れた昆虫。人と地球の命をつなぐ新たな食材として、どんどん美味しく進化していくのが楽しみです。

[学部・学科紹介]
文系・理系10学部が集う、ワンキャンパスの総合大学
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経済学部経済学科
国際舞台にも通用する、各界で活躍できる経済人に
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経営学部マネジメント学科
実社会で発揮できる、高度なマネジメント能力を持つ人材に
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法学部法律学科/法政策学科
法と社会をむすぶ、紛争解決能力と実践力を有した人材に
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現代社会学部 現代社会学科/健康スポーツ社会学科
社会を「研究」するだけでなく、「変えていく」次世代型リーダーに
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国際関係学部国際関係学科
国際社会の発展と平和に寄与できるグローバル人材に
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外国語学部英語学科/ヨーロッパ言語学科/アジア言語学科
高度な語学力と異文化理解力を備え、国際社会で活躍できる人材に
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文化学部京都文化学科/国際文化学科
国内外の文化現象を考察し、京都、日本、そして世界をむすぶ人材に
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理学部数理科学科/物理科学科/宇宙物理・気象学科
素粒子・原子核から宇宙まで、自然の真理に迫る人材に
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情報理工学部情報理工学科
情報技術×理工学で、未来をデザインする人材に
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生命科学部先端生命科学科/産業生命科学科
「研究の推進」と「社会科学との融合」から生命科学を活かす人材に