プロジェクト概要

京都産業大学のタンパク質科学は「世界水準」。これまで培ってきた基礎研究をもとに、現在はタンパク質の「動態」——タンパク質の一生を通じた構造と機能の解析を主に研究しています。

正式事業名:私立大学研究ブランディング事業“生命活動の根幹”をなすタンパク質研究の世界的拠点の形成と推進

5ステップのタンパク質の一生

ステップ1. 生まれる

ポリペプチド=新生鎖の機能としくみ

タンパク質は、DNAが持つ遺伝情報を「設計図」として生成される。
生命活動の担い手であるタンパク質が誕生する過程は、生命がかたちづくられ生命活動が生まれるための最初の重要なプロセスと言える。「新生鎖」グループでは、タンパク質がどのように誕生し、誕生したばかりのポリペプチドがどのような運命をたどり生理機能を獲得するのかを解明する。

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主任研究員

ステップ2. 成長する

フォールディング=立体構造を作るプロセス

生まれたばかりのポリペプチドは、鎖状の「一次構造」だが、これが「折りたたみ/フォールディング」という独自の過程を通じて立体的な構造を持ち、様々な特徴を持つ「タンパク質」に成長して、はじめて機能を発揮する。
ただし、フォールディングは時に「失敗」して異常を生み出すこともある。
成長した立体構造の解析とフォールディングのしくみ、またフォールディングを助ける「分子シャペロン」の働きを中心に研究を行う。

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ステップ3. 移動する

シグナルに応じたタンパク輸送のメカニズム

生み出されたタンパク質は、体中のあちこちに「輸送」され、その先で機能を発揮する。タンパク質は「行き先」によって異なる輸送方法があるが、細胞の間にある「チャネル」を通じて行き来する「膜輸送」は重要なメカニズムだ。細胞に必ず含まれる「ミトコンドリア」に着目して、タンパク質と脂質の輸送に関わるしくみを解明する。

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主任研究員

ステップ4. はたらく

タンパク質の機能と相互作用

輸送されたタンパク質は、エネルギーを生み出したり、遺伝情報や物質を運搬したり、筋肉を動かしたりと、体内でさまざまな役割を発揮し、生命活動を支えている。単体で機能するタンパク質のほか、複数のタンパク質分子が相互作用して機能を果たすものもある。タンパク質がミクロの「社会」の中で、どのように働いているのかを解明する。

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ステップ5. 分解する

タンパク質の寿命、変成と
「品質管理」のメカニズム

タンパク質は、一定の「寿命」を終えると、体内で分解され、死を迎える。また、細胞にかかる種々のストレスのために、正しい構造と機能をもったタンパク質が変性することもある。
これらは細胞の持つ「タンパク質の品質管理機構」によって処理される。再生できるタンパク質は分子シャペロンによって修理され、再利用される。どうしようもないタンパク質は分解されるが、分解の目印になるタグをつけて選択的に分解する方法と、一気に膜で包み込んで、袋のなかで分解酵素によって分解するバルクの分解がある。
これら「品質管理機構」が破綻すると、アルツハイマー病や糖尿病などの病気が起こる。これら「品質管理機構」を解明することにより、病気の原因や治療法を探る。

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