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- WACE世界大会 in Kyoto プレ大会
テーマ:「わが国のコーオプ教育の確立に向かって〜産学協働教育の新たなステージへ〜」
2014年8月30日(土)、「WACE世界大会in Kyoto プレ大会」(以下、プレ大会)を本学むすびわざ館にて開催いたしました。今回のプレ大会は、来年の世界大会に向け、国内におけるコーオプ教育をはじめとした産学協働教育への理解・関心を高めるべく、企業、大学、行政など約300名の皆様にご参加いただきました。
開催にあたりご協力いただいた皆様、ご参加いただきました皆様に心より感謝いたしますとともに、来年8月のWACE第19回世界大会にもぜひともご参加いただきますようお願い申し上げます。
開催日時 | 2014年8月30日(土)10:00〜17:20予定 17:35〜18:35 交流会 |
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会場 | 京都産業大学むすびわざ館(京都府京都市下京区中堂寺命婦町1-10) |
主催 | 京都産業大学 |
協力 | WACE(世界産学連携教育協会)、NPO法人WIL:WACE日本事務所 |
後援 | 文部科学省、経済産業省、京都府、京都市、京都府教育委員会、 京都市教育委員会、京都商工会議所、京都経営者協会、 一般社団法人京都経済同友会、公益社団法人京都工業会、 独立行政法人日本学生支援機構、独立行政法人国立高等専門学校機構、 公益財団法人大学コンソーシアム京都、 全国大学コンソーシアム協議会、日本キャリアデザイン学会、 日本インターンシップ学会、 |
参加人数 | 約300名 |
プログラムの概要
オープニング
むすびわざ館2階ホールに参加者約300名が集い、プレ大会は開会しました。オープニングでは本学学長・藤岡一郎が開会の挨拶で、「世界基準に沿ったコーオプ教育プログラムの提供にとどまらず、国内の実情に合わせた国内基準のコーオプ教育体制の確立が求められており、この大会で成果が出ることを期待している」と述べました。
基調講演
オープニングに引き続き、基調講演をホール内で行いました。文部科学省・小谷利恵氏、経済産業省・近田高志氏が登壇し、産学連携による人材育成について行政の立場から、方針や施策等について講演がなされました。
小谷氏からは、近年の大学等におけるインターンシップの実施状況を踏まえ、インターンシップ普及に向けた文部科学省の取組が報告されました。また、近田氏からは、わが国の経済・社会状況から若年世代の育成に求められる要素、産学連携による人材育成の重要性について経済産業省の見解が説明されました。
基調講演の様子(左:文部科学省、小谷氏 右:経済産業省、近田氏)
招待講演
テーマ:「世界から見た日本のインターンシップの課題〜WACEは日本の産学連携教育に何が貢献できるか〜」
講演を行うストーンリー氏
世界規模で産学連携教育の推進を図る国際機関、WACE:世界産学連携教育協会のCEO、ポール・ストーンリー氏が講演を行いました。講演では、WACEが推進する産学連携教育:CWIE(Cooperative and Work-Integrated Education)について、定義、教育モデルの説明が行われました。ストーンリー氏は、「CWIEは国や地域の事情によって様々なプログラムが存在し得る」と述べ、「世界各国から関係者が集い、意見交換を行うことができるWACE世界大会は産学連携教育の推進に大きな役割を果たすことができる」と来年開催の第19回世界大会の意義についても語られました。
Session 1 討論会
テーマ:“グローバル社会を生き抜く力の育成に産学官がすべきこと”
討論者
- 荒瀬克己 氏(大谷大学 文学部教授、元京都市立堀川高等学校校長)
- 児美川孝一郎 氏(法政大学 キャリアデザイン学部 教授)
- 豊田義博 氏(リクルートワークス研究所 主幹研究員)
- 近田高志 氏(経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室 室長補佐)
モデレータ
- 伊吹勇亮(京都産業大学 経営学部 准教授)
高等学校、大学、企業、行政それぞれの有識者による討論会が行われました。討論会では、主体性や創造力など社会で生き抜く力を持った人材の育成が今後のキャリア教育において重要であること、そうした教育の実現に産学連携が重要になることが確認されました。
また、そうした教育を実現する上で大学教育におけるキャリア教育の位置づけ、産学連携と“就活”との関連性などが、今後の課題として確認されました。
Session 1討論会の模様
Session 2 分科会
企業、大学、高等学校、学会など8つの分科会に分かれてセッションを行いました。分科会では、各テーマに沿った事例報告、フロアディスカッションなどが行われ、コーオプ教育を含む産学連携教育の実践事例や課題を共有し、今後の方向性を議論する場となりました。
分科会一覧
分科会テーマ
Aグループ:人材採用とインターンシップ
Bグループ:コーオプ教育の実践に向けた課題
Cグループ:産学官の連携事業による教育改善
Dグループ:教育効果の高いインターンシップの在り方
Eグループ:工学系における産学協働教育の成果
Fグループ:普通科高校における地域共生と人材育成〜学校(教員、生徒)の社会化〜
Gグループ:日本インターンシップ学会 関西支部研究会 〜産学協働教育におけるインターンシップの多様性〜
Hグループ:日本キャリアデザイン学会 関西支部協賛研究会 〜キャリアデザインにおける産学協働の在り方〜
分科会① 13:30〜14:35
テーマ | 登壇者 | |
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A−1 | 海外のインターンシップの実態と採用・育成とのつながり | 豊田 義博氏 (リクルートワーク研究所・主幹研究員) |
B−1 | 専門教育の充実を目指した長期インターンシップの位置づけ | 眞鍋 和博氏 (北九州市立大学・地域創生学群長/地域共生教育センター長) 東田 晋三 (京都産業大学・経営学部教授) |
C−1 | PBLを契機とした学生の主体的な学びとは 〜取り組みの成果と課題〜 |
松島 三兒氏 (長浜バイオ大学・バイオサイエンス学部教授) 後藤 文彦 (京都産業大学・名誉教授) アドバイザー: 小谷 利恵氏 (文部科学省・高等教育局専門教育課企画官) |
D−1 | 教育効果の高いインターンシップ実現に向けた専門人材とは | 近田 高志氏 (経済産業省・経済産業政策局産業人材政策室室長補佐) |
E-1 | 工学・エンジニア系における産学協働教育の実践と成果 | 原野 智哉氏 (阿南工業高等専門学校・創造技術工学科教授) 古川 修氏 (芝浦工業大学大学院・理工学研究科 特別任用教授) |
F-1 | 岡山県立倉敷南高等学校の地域共生の取り組み事例 | 山下 陽子氏 (岡山県立倉敷南高等学校・校長) 柳沢 秀行氏 (大原美術館・学芸課長) 斉藤 貞三郎氏 (毎日新聞社・編集局学芸部長) 総合コーディネート:山本 達也氏 (岡山県立倉敷南高等学校・進路指導主事) |
G-1 | 日本インターンシップ学会関西支部研究会 〜産学協働教育におけるインターンシップの多様性〜 |
関西支部長 安孫子 勇一氏 (近畿大学・経済学部教授) 副支部長 廣瀬 幸弘氏 (岐阜大学・教育推進学生支援機構キャリア支援部門特任准教授) 運営委員 田崎 悦子氏 (大阪教育大学・キャリア支援センター副センター長/特任准教授) 尾崎 雅彦氏 (大阪大学大学院・経済学研究科専任講師) |
H-1 | 日本キャリアデザイン学会 関西支部協賛研究会 〜キャリアデザインにおける産学協働の在り方〜 |
会長 中村 恵氏 (神戸学院大学・現代社会学部長) 副会長 児美川 孝一郎氏 (法政大学・キャリアデザイン学部教授) 常務理事 川ア 友嗣氏 (関西大学・社会学部教授) 関西支部長 松高 政 (京都産業大学・経営学部准教授) 関西支部役員 村田 充範氏 (パナソニック株式会社・エコソリューションズ社人事センター) |
※分科会の詳細は、「案内リーフレット」をダウンロードいただき、ご参照ください。
※[G-1]、[H-1]分科会は、学会員以外の方もご参加いただけます。
分科会② 14:50〜15:55
テーマ | 登壇者 | |
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A−2 | インターンシップの可能性 | 野崎 治子氏 (株式会社堀場製作所・理事 CSR 担当/HORIBA COLLEGE 学長) 大川 哲郎氏 (株式会社大川印刷・代表取締役社長) |
B−2 | 海外におけるコーオプ教育の推進組織と質保証 |
ポール・ストーンリー氏 (WACE:世界産学連携教育協会・CEO) 宮川 敬子氏 (NPO 法人WIL / WACE 日本事務所・代表) |
C-2 | インターンシップにおける危機管理を考える | 吉川 智氏 (名古屋産業大学・教育研究センター長・教授) アドバイザー: 小谷 利恵氏 (文部科学省・高等教育局専門教育課企画官) |
D−2 | 大学における人材育成の好事例 〜社会人基礎力を育成する授業30選〜 |
勝又あずさ氏 (成城大学・共通教育研究センター特任准教授) 松高 政 (京都産業大学・経営学部准教授) 近田 高志氏(経済産業省・経済産業政策局産業人材政策室室長補佐) |
E-2 | 工学・エンジニア系における産学協働教育の実践と成果 | 原野 智哉氏 (阿南工業高等専門学校・創造技術工学科教授) 谷 正史氏 (金沢工業大学・常任理事/産学連携推進部長) 古川 修氏 (芝浦工業大学大学院・理工学研究科 特別任用教授) |
F-2 | 普通科高校におけるキャリア教育とは | 山下 陽子氏 (岡山県立倉敷南高等学校・校長) 泉 雄二郎氏 (島根県立松江北高等学校・校長) 鈴木 晃彦氏 (富士大学・経済学部 経営法学科教授/元 岩手県立花巻北高等学校・校長) 総合コーディネート:山本 達也氏 (岡山県立倉敷南高等学校・進路指導主事) |
G-2 | 日本インターンシップ学会関西支部研究会 〜産学協働教育におけるインターンシップの多様性〜 |
関西支部長 安孫子 勇一氏 (近畿大学・経済学部教授) 副支部長 廣瀬 幸弘氏 (岐阜大学・教育推進学生支援機構キャリア支援部門特任准教授) 運営委員 田崎 悦子氏 (大阪教育大学・キャリア支援センター副センター長/特任准教授) 尾崎 雅彦氏 (大阪大学大学院・経済学研究科専任講師) |
H-2 | 日本キャリアデザイン学会 関西支部協賛研究会 〜キャリアデザインにおける産学協働の在り方〜 |
会長 中村 恵氏 (神戸学院大学・現代社会学部長) 副会長 児美川 孝一郎氏 (法政大学・キャリアデザイン学部教授) 常務理事 川ア 友嗣氏 (関西大学・社会学部教授) 関西支部長 松高 政 (京都産業大学・経営学部准教授) 関西支部役員 村田 充範氏 (パナソニック株式会社・エコソリューションズ社人事センター) |
※分科会の詳細は、「案内リーフレット」をダウンロードいただき、ご参照ください。
Session 3 全体討論
テーマ:“わが国のコーオプ教育の確立に向かって〜産学協働教育の新たなステージへ〜”
大会の最後を締めくくるプログラムとして、全体討論を行いました。全体討論では、各分科会の代表者が登壇し、分科会における議論の内容について報告を行い、日本型コーオプ教育を実施していくにあたり、教育機関、企業、行政がそれぞれ解決すべきことについて議論を深めました。その後、モデレータを務めた本学経営学部准教授、伊吹勇亮より大会全体の総括を行いました。総括では、「学生が職業人、社会人として自立できるよう幅広い能力形成が求められており、高校や大学、企業、行政などが連携し、そうした社会で生き抜く力を積み上げていける教育プログラムを用意していく必要がある」と述べました。そして、来年の世界大会ではさらに進んだ議論、事例報告が行われることへの期待を述べました。
報告を行う各分科会代表者
交流会
すべてのセッションが終了後、1階ダイニングで交流会を行いました。登壇者も交え、様々な業界からの参加者が、自由に意見交換、交流を行う時間となりました。