【法学部】田村ゼミ京都府警察本部訪問調査「金銭目的サイバー犯罪の現状と対策」

2024.12.04

聞き取り調査を行った学生

法学部では、学生同士や教員とのコミュニケーションを通じて主体的に学ぶ「AL(アクティブ・ラーニング)科目」を多数開講しています。その1つである田村 正博教授の「2年次・3年次演習」(ゼミ)では、社会安全政策上のテーマについて、数人ずつのグループに分かれて京都府警察本部の担当者から話を聞くなどして調査し、授業内で発表・討議を行っています。今回は、「金銭目的のサイバー犯罪」をテーマに設定したグループの学生3人が、京都府警察本部で聞き取り調査を行った様子をレポートします。

(学生ライター 現代社会学部 4年次 伊藤 淳仁 )

対応していただいた京都府警察近藤勇二警部補
今回、学生の対応をしていただいたのは京都府警察近藤勇二警部補です。ゼミ生が「金銭目的のサイバー犯罪」について事前に提出していた質問に、回答をいただく形で聞き取り調査は進行しました。最初にサイバー犯罪の分類を説明してから回答するなど、学生の知識を確かめ補足したうえで分かりやすく説明をされていました。また、ゼミ生が聞き取り調査の結果をまとめ発表するうえで重要となる「認知件数」については、あくまで「被害届が提出されている件数」であり、「被害の実態と同一ではない」ことなど、ポイントについて指摘をいただいていました。また、インターネットを用いた犯罪に関わる相談の中では、近年の傾向として、詐欺や悪質商法で金品を騙し取られる事案の割合が最も高いそうです。これは恒常的なものではなく時代の流れに応じて変化していくものであり、近年詐欺事例が増えた理由として「NISA」など「投資」が国民にとってより身近な存在となったことが挙げられるのではないかと分析されていました。
そして、被害を防ぐためには時代背景を踏まえつつ防犯啓発活動を日々行う必要があり、従来啓発活動の主なターゲット層となっていた大人や高齢者だけでなく子ども(最近ではスマートフォンを持っている小学生も少なくないため)への啓発も重要だと述べられました。一方、啓発活動の難しさとして、防犯教室や啓発イベントを開催しているにもかかわらず、対象者全員には周知できない点を挙げられました。不登校の子ども、引きこもりの人、地域で孤立した独居老人などに防犯教室の存在を伝えてもなかなか参加してもらうことは厳しい。だが、そういった人々がインターネットを使うことも少なくない。だからあらゆる世代に対して取りこぼすことなく伝えることが重要だそうです。この問題はサイバー犯罪に限定されたものではありませんが防犯対策として考えなくてはならない問題の一つであるといえるのではないでしょうか。

学生は事前に送っていた質問に加えて新たな質問をする、近藤警部補からの問いかけに応えるなど積極的にコミュニケーションを取りながら積極的に調査を進めていました。お話を一緒に聞く中で私も、「NISA」などには興味があるので情報を集めると同時に防犯教室などに参加して、どのような手口の詐欺があるのか、知識を得ることで騙される確率が減るのではないかと思いました。
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