学生の積極性に現地から高い評価を獲得!
「マレーシア・ペナン・オンライン実習」成果報告会

2021.10.01

オンライン・ホームステイで食事の提供を受ける履修者
国際関係学部の実践科目「国際キャリア開発リサーチC<2>マレーシア・ペナン・オンライン実習」が8月から9月にかけて行われ、2021年9月17日に参加学生による成果報告会が開催されました。この科目は、東南アジア地域における日本のNGOの活動現場を知り、地域が抱える社会的課題に取り組むインターンシップ型の実習プログラムで、実習を通じて問題解決能力や自主性を高めることを目的としています。今年度は海外渡航が困難なためオンラインで実習が行われました。
(学生ライター 外国語学部3年次 瀬戸うた)

実習と報告会を終えて
今年度参加した学生は10名。4月から7月の間、事前学習として国際協力について学び海外フィールド実習に必要な知識を身に付けて調査実習を行い、その後8月前半と9月前半の2期に分けて行われた実習に参加しました。実習は日本に拠点を置く民際協力NGO「PARCIC」さんの事業地であるマレーシア・ペナン州の関係団体およびコミュニティ、と連携して行い、マレーシア科学大学の学生も一部実習に加わりました。

成果報告会では学生が実習の内容や学びを伝え、最後に実習を通じて気づいたキャリアパス(キャリアプラン)について発表しました。まずは8月の実習について。主に各日程に設定されたトピックを元にワークが行われ、ペナン側のファシリテーターであるGareth Richardsさんの指導の下、COVID-19やマレーシアの歴史、宗教や文化、ロヒンギャ難民について講義と討議のセッションを開いていただいたそうです。各セッションを通して学生は「多様な民族や言語の人々とディスカッションし深く繋がることのできた要因の一つとして、コロナウイルスという共通の話題があり、コロナ禍を少し肯定的に捉えられるような、新たな視点を得ることができた」「宗教についてセンシティヴで触れにくいと感じていたが、協力や助け合いなどプラスの側面があると理解した」と話し、自分自身が興味のあるトピックへの関心が高まっただけでなく、社会的課題を深く考えるようになったとプラスの変化を感じていました。

次に9月の実習について。主に「PIFWA」(ペナン沿岸漁民福利協会:ペナン州でマングローブ保護のため植林を行っている現地自助団体)の活動、小学校の校長や一般の方々へのインタビュー、オンラインホームステイについて発表しました。学生は「植林と聞くと第三者が介入しているイメージだったが、PIFWAはローカルな団体であるということから地元のニーズが把握しやすいという点でとてもよいと思った」「小学校ではすべての授業にSDGsを絡ませていて、こういった個人に対してSDGsの理念が共有されていくことは持続可能な開発を進めやすくなるのではないのかと考えた」「他文化を柔軟に受け入れるという前向きな姿勢を学んだ」と話しました。オンラインホームステイでは、マレーシアの街並みや料理、ルームツアーなどがリアルタイムで実況され、画面越しでもマレーシアでの生活を理解できるように工夫されていたそうです。学生は「現地の方々の心のあたたかさやおもてなしの心を感じることができた」と話しました。そして実習全体の振り返りでは、知識はもちろん語学力、積極性、問題解決能力など自らのスキルアップにつながり、あらゆる問題に多角的な視点をもって考えるようになったと話しました。

そして実習を通して得た経験をもとに学生自身が考えるキャリアプランを発表しました。参加した学生が共通して「世界を変える何かがしたい」という想いを持っており、今後も今回のような刺激の受けられる場所に身をおき、失敗を恐れず挑戦していきたいと話しました。最後に実習に携わってくださった団体や国際関係学部の教職員への感謝で締めくくられました。

成果報告会の後には質疑応答と感想を述べる時間が設けられ、三田教授は「さまざまな制約がある中、短期間のオンライン実習で一人一人がここまで深く学び理解でき、成果をあげられたことはとても素晴らしい」と参加学生へ賛辞を送りました。

今回の取材を通して、参加学生の皆さんが主体性をもって積極的に行動し目標に向かって努力している姿にとても感銘を受けました。また国際関係学部では今回のように学生が自由にのびのびと挑戦できる環境づくりがされていると感じました。本学の学生が世界を変える日が待ち遠しいです。

科目を担当した国際関係学部 三田 貴 教授
参加学生は実習内容や今後のキャリアについて発表した
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