【理学部】物理科学科の卒業研究として滋賀県工業技術総合センターで実験を行いました

2023.03.10

理学部物理科学科では、4年生の卒業研究として専門分野の研究に取り組みます。2022年度の量子物性特別研究では、トポロジカル絶縁体を滋賀県工業技術総合センターにて分析評価しました。

量子物性特別研究では、2022年4月から単結晶や薄膜の作製について学びました。卒業研究のテーマは、「トポロジカル絶縁体」。中は絶縁体なのに表面は金属になるという注目の物質です。まず学内でスパッタリング法によるトポロジカル絶縁体の薄膜の作製に取り組みました。その作製した薄膜試料の評価をするために、学内の実験室でX線回折パターンの測定と表面構造の観察を行い、滋賀県工業技術総合センターでICP-AESの測定を行い組成を分析しました。これらの実験結果を卒業論文としてまとめました。

特別研究生からのコメント

新田 朝陽さん(理・4年次)

トポロジカル絶縁体という興味深い物質の実験ができていることがとても楽しいです。大学院でも楽しみながら、この研究を続けていきたいと思います。

用語解説

  • トポロジカル絶縁体…トポロジカル絶縁体とは、バルク(物質内部)は絶縁体であるのに、エッジ(2次元系では端、3次元系では表面)では金属状態を持つ物質です。
  • スパッタリング法…スパッタリング法とは、ターゲット付近でプラズマを発生させ、荷電粒子をターゲットにぶつけることで、試料を飛ばして基板に付着させて薄膜を作製する方法です。
  • ICP-AES(誘導結合プラズマ原子発光分析) …試料を構成する元素の種類とその含有量を決めることができる分析法です。
トポロジカル絶縁体のもととなる試料
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