理学部物理科学科では4年次生の卒業研究として専門分野の研究に取り組んでいます。2022年度のハドロン物理学特別研究では素粒子・原子核分野で重要な放射線検出器について深く学び、J-PARC（ジェイパーク）やSPring-8（スプリングエイト）で検出器の開発や加速器からのビームを用いた実験をおこないました 。

4月から放射線検出の基礎を学内の実験室で学びました。高エネルギー加速器研究機構や大阪大学との共同研究としてステライルニュートリノ探査実験JSNS²での検出器建設やSPring-8でのハドロン物理の実験に参加しました。大学の実験室ではニュートリノ生成反応を測定するための放射線検出器を開発しました。これらの研究をまとめて、卒業論文に仕上げます。
学内での普段の実験とは異なり、J-PARCやSPring-8などの最先端の研究施設に触れることで、様々な学びを得ることができます。

 実際に加速器のある研究施設で研究に参加することができ、研究所の雰囲気や、研究者の皆さんの熱意を直に感じることができました。今後の研究に対して大きな刺激を得られたので、この経験を元に精進していこうと思います。

ステライルニュートリノ探索実験について、20inch光電管に触れたり、大きな実験装置の製作に参加でき、とても貴重な体験になりました。

 普通なら関われないJ-PARCやSPring-8での最先端の検出器を間近で見て学ぶ機会が得られて感動しました！

• ステライルニュートリノ…既知の3つのニュートリノとは異なる新種のニュートリノ。暗黒物質候補でもある。
• ハドロン…素粒子の一種であるクォークが結びついてできた粒子。
• J-PARC加速器…J-PARC（ジェイパーク）は茨城県東海村にある陽子加速器施設です。さまざまな素粒子・原子核実験がおこなわれており、ステライルニュートリノ探査実験(JSNS²)もその1つです。
• SPring-8加速器…SPring-8（スプリングエイト）は兵庫県西播磨にある電子加速器施設です。ここでは原子核、ハドロンやクォークの研究をおこなっています。