【文化学部】「京の町家で文化学」開催!ペリーはどうして日本にやってきたのか?高校生とともに考える

2022.11.17

11月12日(土)14時より、文化学部主催「京の町家で文化学」の第2回目の講座を、「町家学びテラス・西陣」で開催しました。本講座は、高校生を対象とし、京町家の落ち着いた空間で大学における学びへの扉を開くことを目的に企画されたものです。
講義を行う中西教授
今回は、文化学部国際文化学科の中西 佳世子教授による「ペリー来航を考えよう—開国の鍵は〈エンタメ〉?!—」とのテーマのもと、歴史教科書では日本近代の端緒として取り扱われるアメリカ東インド艦隊司令長官ペリーによる外交の内実について講義を行いました。特に、アメリカが日米間の交渉を良き方向にすすめるために饗宴を催し、そのなかで娯楽演芸を用いて、日本側要人の気持ちを和ませようとしたことについて触れ、白人が黒人に扮して演じるミンストレル・ショーに込められた意味について説明しました。また、1853年6月に江戸湾浦賀に現れ、2度の来航を経て、砲艦外交によって1854年3月に日米和親条約を結んだということのみが対象とされる歴史教育では考えられることのない内容について、わかりやすく解説しました。
参加した高校生からは、「文化的兵器」と評されたミンストレル・ショーについて、「一体感で支配されそうになっていることに気が付いた人は日本側にいたのか」、「ショーに介在した差別観について考えると、現在、気づかないうちに成立している差別がきっとあるので何とも言えない気持ちになる」などという感想が出され、「面白かった。次回もぜひ参加したい」との声もありました。同日は、文化学部生も数名出席し、個々の問題関心に照らした疑問、質問を中西教授に投げかけていました。
次回は、12月10日(土)14時より、講師にペレッキア・ディエゴ文化学部准教授が立ち、「〈能〉という文化について考えよう-時空を超える能面-」のテーマで高校生を対象に授業を行う予定です。
参加者との質疑応答の様子

「京の町家で文化学-高校生にひらく京都文化・国際文化-」

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