【経済学部】イケダゼミ 伝統の養蚕を学びました

2022.05.30

2022年5月11日(水)にゼミのフィールドワーク調査の一環として、350年以上の歴史を持つ「織道楽塩野屋」が開催する「シルク・ラボ・セミナー」に参加し、養蚕業の現状を学びました。

「織道楽塩野屋」は以前、京都西陣にお店を構えていましたが、現在は京都府亀岡市に拠点を移し、ご夫婦で生産から製造まで行っておられます。蚕は、とてもデリケートな生き物のため「織道楽塩野屋」は蚕の飼育に最適な気温25度を維持することができる空調設備が整った亀岡市交流会館の一室で、細心の注意を払い飼育されています。

私たちは、生まれて2日目の稚蚕飼育(※1)の餌やりを見学しました。生後2日の蚕は、3~5令(※2)の蚕とは違い、堅い桑の葉が食べにくく成長に差が出るので、比較的柔らかい桑の葉を適度に刻み10層ほど積み上げ、1日3回与えます。蚕は餌のある場所から逃げることはないので、柵や囲いは必要なく平らな場所でも飼育可能です。

店主の服部芳和さんは、「明治以降の日本の産業を支えてきた伝統の養蚕を日本人にこそ知ってほしい」とおしゃっていました。
また、服部ご夫妻は蚕の飼育に必要な桑の木の栽培のほかに、季節の野菜やイチゴなどの果物も無化学肥料、無農薬で栽培しておられます。

,p> 今回参加したゼミ生達は、養蚕の様子を実際に見学し、今では数少なくなった養蚕に携わる方の心情を直接聴くことで、生産者の実態や内情を知ることができ、大変勉強になったと語っていました。
(※1:1~2令、生後1週間ほどの時期で、その後の成長を揃える為に与える桑の葉を慎重に管理する)
(※2:蚕が脱皮した数;幼虫1回脱皮すると2令)

 

「織道楽塩野屋」は、【物を買う楽しみよりも創る喜び】をテーマに養蚕、絹に関する数多くのセミナーを開催しています。

(文責:経済学部3年次 森永 康平)

作業を学ぶ学生達
服部ご夫妻
生後2日目。この頃の幼虫を蟻蚕(または毛蚕)という
桑の木
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