【国際関係学部】日本酒の魅力を世界に売り込む!~増田德兵衞商店~

2022.12.07

11月15日、国際関係学部の国際ビジネス論Ⅱ(担当:植原 行洋教授)では、ゲスト講師をお迎えした特別授業が開催されました。今回は、京都伏見の老舗酒蔵増田德兵衞商店から増田会長、増田社長をお招きし、日本酒の海外展開について講演頂きました。実際に海外ビジネスを展開されている方のリアルな現場の視点を学ぶことができる国際関係学部の特色ある授業です。

 

(学生ライター 国際関係学部4年次 渡辺 美琴)

企業の海外進出について多く取り扱われるこの授業では、海外事業展開プランを学生自ら考案する課題が出されます。そして、優秀プランとして選ばれた学生たちが増田德兵衞商店の増田会長、増田社長の前でプレゼンを行い、フィードバックをいただくという実践的な授業形式です。

左側:増田德兵衞会長 右側:増田醇一社長
第一部では、学生たちが考えた事業の海外展開プランを12分に凝縮して発表しました。優秀プランに選定された3グループは、現地の人口や酒の消費量などの基本情報だけでなく、ラベルデザインのアイデアや、現地の食とのペアリング、模倣品対策、輸出コストの削減方法などを調べており、プレゼンを聞いていると、実際の国際ビジネス現場のようなリアルさを体験できました。3グループのプランに対して増田德兵衞商店の会長や社長、植原教授から質問やフィードバックが行われ、学生たちは自分たちの考えたプランの実現性や問題点を学びました。
優秀プランを発表する学生

第二部では、増田德兵衞会長から「海外を見据えた経営」について講演いただきました。
増田会長は、京都産業大学のご出身で、在学中にドイツワインアカデミーに修学し、世界のお酒造りを学ばれてきました。

増田德兵衞商店のある京都市伏見区は、20以上の酒蔵があり、日本酒造りに欠かせない良質な水のあるエリアです。かつては、JRや京阪電車の地下採掘計画が持ち上がった際は水源を守る活動に伏見酒造組合をあげて行いました。「京のお米で京の酒を」をスローガンに、米糠肥料を畑で再利用する有機栽培で京都独自の酒造好適米「祝」を栽培するなど、お米作りから手がけ、京都オリジナルの純米吟醸酒も造っています。

2010年から全国の日本酒の輸出は増加し続けており、 増田会長は、「日本酒は、和食、特に鮨の人気と同時に注目も高まり、欧州を中心に富裕層に嗜好品として世界に定着しつつある。ユネスコ無形文化遺産になった和食の鮨人気だけではなく、ヘルシーで食事のシーンを豊かにするものとして日本酒も今後さらに世界に広がっていくだろう」とおっしゃっており、海外に日本酒の魅力を発信するためには、京都をはじめ地域の和食文化や日本の醸造技術の高さを積極的にアピールしていくことが重要であることが伝わりました。

ビジネスを通して、関わる国についての情報を集め、どんな商品が受け入れられるのか、あるいは受け入れられないのか、どのようにしたら売れるようになるのかを検討することは、私たち学生の視野を広げてくれます。日本の商品をアピールするにあたって、日本にしかない魅力を探すことで、普段生活しているだけでは見えてこないことにも気付くことができます。この授業を受けている学生たちは、海外と日本をつなぐグローバル人材への道を既にスタートしていると感じました。

国際関係学部の授業では、外交、ビジネス、国際協力の現場で活躍する実務家を招き、世界の最前線の知識や実情を学びます。
他にもさまざまなゲストスピーカーによる講演会を開催しています!

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