理学部の安藤助教、髙木教授、佐川教授が複数の研究者と共同研究を行い、新しい論文を出版

2021.06.11

成果

理学部 宇宙物理・気象学科の安藤紘基助教、髙木征弘教授、佐川英夫教授は国内の複数の研究者と共同研究を行い、金星大気に見られる約5.5地球日の周期をもつ明るさの変動のメカニズムに関する研究成果をまとめ、新しい論文をJournal of Geophysical Research Planetsから出版しました。

掲載論文

著者:Ando, H., Takagi, M., Sagawa, H., Sugimoto, N., Sekiguchi, M., & Matsuda, Y. (2021).
題目:Quasi-periodic variation of the lower equatorial cloud induced by atmospheric waves on Venus.
掲載誌:Journal of Geophysical Research: Planets, 126, e2020JE006781.

背景

これまでの地上観測では、金星の低緯度地域で約5.5地球日の周期を持つ準周期的な明るさの変化が見られました。本研究では、簡略化した雲物理を含む金星大循環モデルを用いて、そのメカニズムを調べました。その結果、この準周期的な明るさの変化は、赤道域の惑星規模の波に伴う雲底付近の温度変動に起因することが示唆されました。同時に見られた雲密度の時間変化は、温度変動と負の相関を示しており、大きな雲の粒子が突然現れたり消えたりすることに関係しているかもしれません。このことは、最近の「あかつき」や地上の赤外線夜間観測で見つかった下層雲の不連続とその消失を説明できるかもしれません。

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