国際関係学部「平和構築論Ⅰ」で「憎しみを乗り越えてー戦後76年を迎えるヒロシマからのメッセージ」オンライン講演会を実施しました

2021.07.28

7月22日、「平和構築論Ⅰ」(担当教員:クロス京子准教授)で、広島原爆の語り部の近藤紘子氏をお招きし、オンライン講演会を行いました。

近藤氏は、生後8カ月で爆心地から1.1kmのところで被爆されました。ご自身には被爆の記憶はないのですが、被爆者救済と平和活動に半生を捧げられた、お父様の谷本清牧師の活動を継ぎ、平和の尊さを国内外で幅広く講演されています。

講演は「憎しみを乗り越えて」と題されましたが、これは近藤氏のご経験に基づくものです。幼いころ、近藤氏の周りには、顔や体にやけどを負った女性たちや孤児たちが大勢いたそうです。次第に近藤氏は原爆を憎み、それを投下した人に復讐をしようと思うようになりました。しかし、原爆で傷を負った女性たちの整形手術をアメリカで行うために寄付を集めていた谷口牧師と共に、原爆を投下したエノラ・ゲイの副操縦士に会い気持ちが変わったそうです。副操縦士が、「なんてことをしてしまったんだ」と言い、涙を流すのを見て、「憎むべくは人ではなく、戦争だ」と気づいたそうです。怖ろしい爆弾を投下した操縦士が良心の呵責に苛まれていることを見て、紘子氏は小さな手で操縦士の手を取りました。握り返された大きな手のぬくもりが、平和を希求する活動に突き動かす原動力になったそうです。

講演後、学生からはアメリカに留学しようと思ったのはなぜか、今の若者たちに期待することは何かなどの質問が出されました。講演会には50人を超える参加者があり、途中接続が切れるハプニングもありましたが、皆さんじっくりと近藤氏の話に聞き入っていました。

広島原爆の経験を語る近藤氏
近藤氏の講演を真剣に聞き入る受講生

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