京都府警察本部サイバー犯罪対策課 桐畑 豊氏が法学部「社会安全政策Ⅰ(総論)」でゲスト講義

2021.06.15

6月2日、法学部の田村 正博教授(元警察大学校校長)が担当する専門科目「社会安全政策Ⅰ(総論)」で、京都府警察本部サイバー犯罪対策課ネットセキュリティ・サポートセンター所長の桐畑 豊氏をゲストにお招きし、「サイバー犯罪の現状と対策」をテーマに講義を行っていただきました。

当日の講義は、実際のサイバー犯罪例を題材にすることから、受講生の社会的距離を確保、感染対策を徹底したうえ、対面形式で行われ、約115名が非常に熱心に聞き入っていました。

サイバー犯罪の現状と対策

講義は、①サイバー空間の現状、②サイバー犯罪の現状と対策、③被害防止に向けた取組の3部で構成されました。

キャッシュレス決済や自動運転に加え、コロナ禍におけるテレワークの会議やリモート講義など、社会インフラとしてのサイバー空間は日々拡大し、京都府警察に寄せられるサイバー犯罪に関する相談件数も年々増加しています。(表1)

サイバー空間は、技術的に未成熟で、国民が不安を感じる場所になっており、IT社会を生き抜くには、情報リテラシーや情報モラルが必要になることを話されました。

警察では、デジタルフォレンジックと現実世界の捜査とを合わせて行為者を特定し、事件を検挙するとともに、被害防止に向けた取組も進めていることを話されました。

加えて、フィッシングサイト・詐欺サイトの実例、架空請求詐欺のよくある請求画面の紹介、京都府警察が検挙した3つの事件(※)の概要説明があったため、学生にとって大変リアルに感じられる内容でした。

(※)「人気オンラインゲームの通貨を他人のアカウントで不正に購入した事件」、「宿泊予約サイトを通じてホテルに虚偽予約を入れ、Tポイントを不正に入手した事件」、「AIの顔認証技術を使ってアダルトビデオの偽動画を作成した(ディープフェイク)事件」

学生に解説する桐畑 豊氏

受講した学生のコメント

2年次 法律学科 箸尾 海さん

私は今回の講義を受けて、詐欺には様々な種類があることを知り愕きました。
その中でも詐欺サイトが一番身近に感じました。
詐欺サイトの被害対策として、サイト名の検索が一番有効な手段であると学びました。

私は以前インターネットで商品を買おうとした時に、そのサイトが他のサイトに比べて異常に安かったので、心配になり、そのサイトを検索してみるとそのサイトが詐欺であることがわかり、詐欺被害にあわずに済みました。その時、サイト検索は大事であると感じました。

また、詐欺サイトに引っかかる危険だけでなく、悪質バイトの勧誘やフェイク動画の作成など、自分も犯罪者になる危険もあるので、インターネットを使う時にはあらゆることに気をつけようと思いました。

3年次 法律学科 山下 優花さん

遠隔授業が多い中、対面授業で京都府警察本部の方のお話を聞く貴重な機会を設けて頂いて嬉しく思いました。
インターネット利用者が増える中で、様々な手口のサイバー犯罪も増えており、時代とともに形を変えていることが分かった。サイバー犯罪の相談件数の半数は詐欺に関するもので、特に運送業者をかたるメールに注意すべきだと知りました。

利用者自身もサイバー犯罪に対して関心をもつだけでなく、リスクを正しく理解し活用する必要があると思いました。
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