【文化学部】「お茶の京都」宇治田原町やんたんの里でフィールドワークを実施

2021.11.19

文化学部の中野宏幸教授の2年次生のゼミ(「京都文化基礎演習B」)が「やんたんの里」宇治田原町で、「お茶の歴史と文化を深く知る」ことをテーマに、地元と連携したフィールドワークを行いました。同ゼミは、「多様な『旅』の楽しみと奥深さを知り、観光や地域づくりのあり方を考える」ことをテーマとしており、今回はその一環として行ったものです。日本茶が生まれたやんたん(湯屋谷)は谷深い地であり、石垣の上にそそり立つように茶農家や茶問屋が軒を連ねる街並みを形成しています。
当日は「やんたん里づくりの会」の谷村稔会長のご案内で、永谷宗円生家にてお茶の歴史や製法を学ぶとともに、地域活性化に取り組む住民の方々が運営する地域交流拠点施設「宗円交遊庵やんたん」で、学生は製茶手揉み体験をし、作りたてのお茶を早速いただきながら地元の方との交流を深めました。
フィールドワークの様子 
「お茶の京都」は、京都の魅力を幅広く楽しんでいただく「もうひとつの京都」の取り組みの1つで、そのエリアは「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出した日本茶のふるさとの京都府南部の12市町村から構成されています。明恵上人が宇治にお茶を伝授して以来、約800年にも渡り日本のお茶文化を支え、2015年には日本遺産の第一号に指定されています。日本茶の歴史と深く結びついた宇治田原町の魅力は、お茶だけにとどまりません。徳川家康の運命を変えた「伊賀越え」の道があり、太古は海の底だったことから貝の化石も採掘されています。また江戸時代から続く伝統行事、地元の食材を使ったグルメ店にも注目が集まっています。
フィールドワークでは、「お茶の京都DMO」(京都山城地域振興社)の方からご説明をいただき、地元農産物直売所「宇治茶の郷」にも立ち寄りながら、山城地域の魅力や特徴を学びました。宇治田原町では移住定住に力を入れていますが、町に移住されてきた「宇治田原町地域おこし協力隊」の若手の方にも面会し、「茶汁定食」を提供いただきました。
宇治田原町では、お茶の香りに導かれながら、永谷宗円生家周辺のアジサイや紅葉を含め、自然景観・歴史や文化、地元の食を楽しむことができます。秋の時期は、宇治駅からやんたんを結ぶ観光バス「宇治やんたんライナー」も運行されています。学生からは、「地元の人達の温かさを感じることのできた非常に有意義な時間だった」「やんたんからの散策ルートは、小学校の時の登校ルートに景色や空気感が似ていて、とても懐かしい気分になった」といった声が聞かれました。学生にとっては新しい発見が多く、地域とふれあいながら、京都の歴史と伝統文化をあらためて深く学ぶことができました。
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