日本物理学会2020年秋季大会(物性)で理学部物理科学科の岩下靖孝准教授が招待講演を行いました

2020.10.05

日本物理学会2020年秋季大会(物性)が2020年9月8-11日にオンラインで開催され、9月9日のシンポジウムにおいて本学理学部物理科学科の岩下靖孝准教授が研究成果の発表を行いました。

岩下准教授はシンポジウム「粒子間近距離斥力の活用形」において「コロイド粒子間の異方的相互作用による秩序化」の題名で招待講演を行いました。相互作用に異方性を持つコロイド粒子は(図1)、その異方性に応じて例えば結晶のような規則性(秩序)を持つ様々な構造を自発的に形成することができます。このような粒子は「コロイド分子」とも呼ばれ、ナノ・マイクロスケールの構造を持つ先端材料を形成する系として注目されています。異方的な相互作用を顕微鏡での実時間観測下で制御し、等方的な粒子とは異なる凝縮機構や、異方的な粒子に特有の向きによる秩序を持った構造(図2)を発見したことなどについて報告しました。

用語解説

コロイド粒子…原子・分子より遥かに大きいため古典的な粒子として振る舞うが、目に見えないほど小さく顕著な熱運動を示す粒子。

図1 異方性コロイド粒子の例。金の半球面とシリカの半球面からなる粒子(ヤヌス粒子)。
図2 球状ヤヌス粒子の持つ相互作用の異方性により形成された方向秩序相の例。

参考

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