国際関係学科 植原ゼミが「世界オンライン講義〜ニューノーマルの予想図〜」を実施しました

2020.05.29

5月14日(木)、外国語学部国際関係学科の「国際関係研究演習」(植原ゼミ)(※)の3年生と4年生はマレーシア、スペイン、ドイツで駐在員として活躍されているジェトロの方をゲストスピーカーとしてオンライン上にお呼びし、「世界オンライン講義」と題してCOVID-19が3カ国に与えた影響や、ニューノーマル(新常態)な世界は将来どのようなものになりそうかについて学びました。
まず、長期にわたり都市封鎖を行ったマレーシアは、法的措置に基づく厳格な外出制限を取られていることが印象的でした。また、マレーシアは、COVID-19が流行している中で政権交代が行われた為、新政権にとってこの問題を解決することが、今後の支持率に大きく影響するため、積極的な対策につながったのではないかと見られています(2月24日にマハティール首相が辞任し、3月9日にムヒディン政権が発足)。また、ムスリム教徒が多く、礼拝のため大人数が集まってしまうモスクへの警戒感が、厳格な対策につながったという見方が特徴的な話でした。

ジェトロクアラルンプール小野澤所長の説明を受けている様子
多くの犠牲者を出したスペインは、観光産業が主要産業の一つであり、これまでは人口の2倍ほどの観光客がスペインを訪れていました。スペイン企業、日系企業に関わらず、航空会社、旅行代理店など観光産業が大きく影響を受けています。また、在宅ワークやネット配信の授業に関しては、スムーズに切り替えが行われたそうです。フットワークが軽く、トライアンドエラーを繰り返しながら対応する国民性が垣間見えたのが印象的でした。
ジェトロマドリッド加藤所長の説明を受けている様子
欧州の中では比較的上手にコントロールしたといわれるドイツは、メルケル首相による対策が比較的早い段階で示され、確実な成果を上げたので、支持率が80%に回復したことが印象的でした。中小企業にも速やかに給付金を支給し、申請後1~2週間という速さで給付されたことを聞き、日本政府の対策との違いを感じました。
ジェトロデュッセルドルフ木場次長が市民の社会的距離実践の様子を紹介
一部経済活動が再開された国もありますが、お話を聞いた3カ国に共通することは、従業員の検温や安全確保、社会的距離の維持などの各種制限により、経済活動がCOVID-19発生前の状況に戻るには、もう少し時間がかかるとのことでした。今回のCOVID-19による経済的打撃は大きなものとなりましたが、マイナス面だけでなく、5Gをはじめとするデジタル産業の発展や、EV化や再生可能エネルギーなど環境関連産業に力を入れていく等、これから生まれる新たなビジネスの可能性も感じました。
オンライン講義に参加したゼミ生たち

また、オンライン講義の翌週のゼミで、3カ国の講義の振り返りや、学生の考えるニューノーマル予測についてプレゼン発表を行いました。
日系企業の進出動向への悪影響、新しい消費ライフスタイルの出現、短期・中期・長期に分け社会・経済の構造変化をとらえる重要性について発表がありました。ニューノーマル予測としては非接触技術のビジネスチャンスやデジタル産業の加速化、エンターテイメントの新たなかたちについて発表がありました。

※国際関係学部は外国語学部国際関係学科の教育研究を基盤として2019年4月に開設。 外国語学部国際関係学科で現在開講している「国際関係研究演習」(ゼミ)について、国際関係学部では、2021年度から「研究演習」として同一内容で開講します。

オンラインゼミでプレゼン発表をしている様子
オンラインゼミでプレゼン発表をしている様子
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