シエナ外国人大学の交換留学生が「イタリア語教授法」のインターンシップを行いました

2020.02.03

協定校であるイタリア国立シエナ外国人大学の交換留学生 ルチーア・ユリアーノさんの依頼に応じて、イタリアの大学卒業に必要なインターンシップを2019年11月19日(木)より1月10日(金)まで行いました。

「イタリア語教授法」をテーマとするインターンシップの内容は、「専攻イタリア語」の一部の授業の見学・補助、「イタリア語専門セミナー(旅行観光)」の授業の見学、教授法に関する教員との議論、共同授業の実施でした。
インターンシップの最後の1週間は共同授業を行い、「専攻イタリア語(会話)IV」の授業の中でルチーアさんが教員となって教えました。

インターンシップが終了した数日後に、ルチーアさんにインタビューをお願いしました。

-インターンシップはどうでしたか?

私の大学で採用されている教授法と全く違う教授法を採用されているので、非常に興味深かっただけではなく、私の母国語であるイタリア語を学んでいる日本人の若者と出会えることができました。そのおかげで、うれしいことに同じ気持ちや不安を抱えていることがわかりました。悩みまで一緒です。

-外国語教授法に関してはなにを学びました?

教員と学生の様々な接触方法を学びました。

学生が質問をするときは教員が質問の内容を推測するのではなく、質問を最後まで話させることです。学生だって話してみたいので、話している途中に学生の話を中断する理由は一つもないです。学生は言いたいことを自分の言葉で最後まで言えたら、達成感があり気持ちいいです。

他に学んだことは、授業のアクティビティーでのグループワークの良さです。特に少人数のグループワークがいいです。同じレベルの学生を組み合わせたらお互いに応援することになります。

-共同授業の経験に関して聞かせてください。

とても緊張していました。教えるのは初めてで良い授業になるようにどうすればいいかをたくさん考えました。想像外でしたけど、うまくいきましたし楽しかったです。時間はアッという間にすぎました。

教員の役でしたので直接に学生と話せてうれしかったです。見学のときと全く違う役でした。授業を見学する立場のときには学生は私を仲間の一員としての扱いをしてくれていましたけど、教える立場になったとたんに、私に対しての態度が変わりました。(笑)

-このインターンシップは将来的に役に立つと思いますか?

役に立つといいですね。私の専攻は全く違いますけど、いまでは将来的に外国語を教えられたらいいと思っています。なので今回のインターンシップはそれを目指す第一歩になりました。大学を卒業してから進路を変えて、大好きな教職を目指すことに集中したいと思います。今回のせっかくの経験を生かしたいです。

-このインターンシップで学んだことを参考にして、帰国後、あなたの大学の語学を学ぶクラスメートにどのようなアドバイスをしたいと思いますか?

できるだけたくさん話すこと。間違いや考えるために必要な時間を恐れないでしゃべることです。また、とりあえずアクティビティーをこなしてみる、グループワークに参加してみることです。しゃべりはじめるのが怖くて静かになる学生をよく見ます。教員の説明や教員が言葉を引き出してくれるのを待っている学生は多いです。つまり、より自律的、活発的になってほしいです。

-今回のインターンシップを終えた自分に質問して、その質問に自分で答えてみてください。

Q.: ここではこれまでと違う教授法を経験したわけですが、あなたが勉強しているところでも、同じような教授法を採用すべきだと思いますか? すなわち、グループワークを増やしたり、スピーキングを増やしたり、リスニングを増やしたりした方がいいと思いますか?

A.: 思います。言葉を実際に使える時間を増やしてほしいです。文法の勉強ばかりではいけないと思います。もちろん、文法は大事ですが、使ってみないと理論にすぎません。

外国へ行ったら、特に最初は文法が完璧で美しい文章が書けるよりも、話せた方が役に立つと思います。外国へ行ったら「もっと話す練習をさせてくれていたら良かったのに! 残念!」と気づきます。

-このインターンシップで学生の心理に関して他に学んだことを聞かせてください。

どこの学生でも同じだと思いますけど注意散漫になりやすいので集中をさせるためにグループでアクティブな作業をさせるのが大事です。教員がクラス全体に一方向で話す形式では、学生たちは授業に集中できず、ぼんやりと時間をすごしてしまいます。

また、教員の態度、つまり厳しさの程度により学生の態度も変わることに気づきました。教員が「親切」だと学生に甘く見えてしまい、教員に対する尊敬を失い態度がわるくなります。

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