経済学部コース再編記念講演を開催

2019.11.13

経済学部では令和2年度(2020年度)より、現行の3コース制(公共政策、産業経済、国際経済の各コース)から新たに4コース制(現代経済、ビジネス経済、地域経済、グローバル経済の各コース)へ移行します。

今回の講演会は来年度のコース再編を記念して開催するもので、特にグローバル経済コースに関連したトピックとして「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)」について、実際に国際連合(United Nations, UN)の現場で長らく携わってきた元国際連合地域開発センター所長の髙瀬 千賀子氏をお招きして講演していただきました。

現在、国際連合をはじめとする国際社会では2030年に向けて「持続可能な開発目標(SDGs)」の到達を目指し、持続可能な社会の構築に取り組んでいます。まず、髙瀬氏は2030年までに誰一人残すことなく貧困をなくし、持続可能な世界を実現するための包括的な政策と行動指針を含んだSDGsの17の目標を示し、また持続可能な開発の概念について2030アジェンダの宣言(「持続可能な開発のための2030アジェンダ」)を基に説明されました。

次に、髙瀬氏はSDGsが1990年代からこれまでに開催された多くの開発関連の国際会議をベースとして成り立っていることを明らかにし、特に1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット「国連環境と開発会議」、また後継の2002年に南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」や2012年に再度ブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」について分かり易く説明されました。また、ミレニアム宣言に基づいて2000年から2015年までの国際社会の目標として設定された「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals, MDGs)」についても取り上げ、MDGsの目標は全体的に達成されたが個別にみた場合にまだ課題が残されていること、またSDGsとの関連性についても説明されました。

最後に、日本政府ならびに京都市のSDGsの実施方針についても解説され、持続可能な社会の実現に向けて私たち一人一人にできることとして、国連のアクション・ガイド(国連「ナマケモノにでもできるアクション・ガイド」)について紹介されました。この講演会に出席した学生は、現代のみならず将来の世代に渡っていかに持続可能な社会の実現が重要であるのか認識を深めただけでなく、これからどのような行動を取っていくべきか考える貴重な機会を得ることができました。

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