文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で
料理研究家 大原 千鶴氏が講義

2019.06.26

「おばんざい」について講義する大原氏
2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、6月26日(水)は「京都の暮らしと和食」をテーマに、NHK「きょうの料理」でもおなじみの料理研究家 大原 千鶴氏を招いて講義を行いました。
講義冒頭、「おばんざい」の由来・特徴について説明し、冷蔵庫にあるもので工夫して料理をするということは、自分の持っている資質を活かすということにつながり、それは人生でも変わらず必要とされることであると指摘しました。また、作る喜びから食べる喜びがうまれ、そのことが「生きる気力」になる点。命をもらって食べさせてもらっていることから「世の中に還元」したい気持ちがうまれ、そのなかで人と「繋がる喜び」がうまれる「食のポジティブサイクル」。その反対に作ることが億劫になることで、あまり食べない状況となり、生きる気力の減退や感謝の心の減退を招いて孤立する「食のネガティブサイクル」もあると説き、自分がオーラを発するためにもぜひ「食のポジティブサイクル」を目指して欲しいとすすめました。
学生たちから活発な質問もでた教室
質疑応答では、「得意料理ではなく、作ることが好きな料理は何か」「煮物を作っても母や祖母の作る味にならないのはなぜか」「妹が野菜をほとんど食べないが、どのように工夫すればよいか」といった質問が受講生から出され、一緒に悩みながら、丁寧に答えてくださる姿が印象的でした。また、大原氏からは「将来はどのような職業への就職を考えているか」「大学にお弁当は持ってきているか」といった質問が学生に投げかけられ、教室は和やかな雰囲気に包まれました。
講義のなかには白味噌の保存方法や伏見稲荷の稲荷寿司をはじめ、大原氏のお薦めポイントが沢山盛り込まれ、受講生は終始熱心に聞き入っていました。
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