「京都産業大学文化学部を『知る・聴く・観る』」
第2回文化学部講演会を開催しました

2019.06.08

2019年度、文化学部では「国際的視野のもと京都から世界へ発信する文化学部」を目指し、「京都産業大学文化学部を『知る・聴く・観る』」をテーマに、3回シリーズでのイベントを開催しています。
満員となった会場
6月8日(土)に実施された第2回目は、ペレッキア ディエゴ 准教授(文化学部京都文化学科)がコーディネーターを務め、「安珍清姫の鐘-歴史と伝説を演じる」をテーマに、4名のゲストスピーカーにお越しいただきました。ゲストスピーカーには、宇高 竜成氏(金剛流能楽師)、宇高 徳成氏(金剛流能楽師)、土持 悠孝氏(総本山妙満寺執事)、吉野 秋二 教授(文化学部京都文化学科)をお呼びしました。当日は、京都産業大学ナレッジコモンズに学生・一般の方合わせて約130名が来場しました。

第一部

第一部の講演では、吉野 教授より「安珍清姫の鐘の伝説と歴史」について歴史学の見解から解説されました。「安珍・清姫伝説」と言われる道成寺の鐘にまつわる伝説は、思いを寄せた僧の安珍に裏切られた女の清姫が激怒のあまり蛇に変化し、道成寺で鐘ごと安珍を焼き殺すといった話になっており、吉野 教授はあらすじと背景をわかりやすく解説されました。
次に、土持氏が「道成寺の鐘と妙満寺」をテーマに、道成寺の鐘が現存している妙満寺の住職としての見解でお話されました。安珍と清姫を成仏し、鐘を供養した「法華経」について、語られました。妙満寺では、実際に「霊鐘」として納められている鐘を見ることができ、是非見に来てほしいと会場の皆さんに声をかけておられました。
安珍清姫伝説の由来を解説される吉野教授
安珍清姫伝説の説明をされる土持氏
つづいて、「能楽師の人生における《道成寺》」をテーマに、「安珍・清姫伝説」に基づいた演目《道成寺》を実際に能で演じる宇高 竜成氏が、能楽に関する基礎的な話から、細かい演出までわかりやすく解説されました。能には5つの流儀があり、金剛流では話の中で出てくる鐘を吊るす前から始まる設定になっているという説明がなされ、能楽について知識がない人にもわかりやすい説明で話は進みました。
《道成寺》に使用する能面紹介をされる宇高竜成氏

第二部

第二部では、宇高 竜成氏と宇高 徳成氏による実演が行われました。能楽《道成寺》における「乱拍子」という特殊な足遣いがあり、《道成寺》を実演される前に説明がされ、会場にいる人たちは、宇高 竜成氏の足遣いに夢中になっていました。
登壇者全員で総合討論
最後に、「歴史と芸の間《道成寺》」をテーマに討論が行われ、様々な専門家の視点から討論が繰り広げられました。約2時間に及ぶ、中身の充実した講演会に、会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

実演の様子

金剛流能楽師 宇高竜成氏と宇高徳成氏による実演
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