理学部 宇宙物理学の実践的な学びをより深く

2019.02.26

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ニュース教育理学部

2016年度に開設された理学部 宇宙物理・気象学科では、宇宙物理学分野、ならびに気象学分野それぞれの研究分野に密接に関連している実践的科目に力を入れています。

学科最初の学生が3年次となった今年度春学期より新たな実践的科目が開講されました。宇宙物理学分野では秋学期、「天文観測技術特別実験」と「宇宙物理学特別演習」、2つの実践的科目が新たに開講されました。学生たちはそれぞれの興味に応じて選択した実験・演習を履修し、科目それぞれで設定された課題に取り組んできました。

「天文観測技術特別実験」では、まず望遠鏡の基本的な原理や光学材料・光学素子の配置と結像性能の関係を学んだ上で、望遠鏡で集めた光を分析するために必須の光学機器の設計・製作を行った上で、その光学機器の性能評価を行うまで、すなわち宇宙の観測に必要な基礎技術の全てを体験しました。
「天文観測技術特別実験」の履修者は、実験を通じて学んだ基本原理などが天文観測だけでなく、目やデジタルカメラといった身近な光学系の理解にもつながることを実感したそうです。また、実際に分光器を作成するにあたって、観測対象に応じた仕様の決定、設計、使用する素子の選定、そして実際の製作に到るまで、自ら考えながらの作業に苦労しながらも熱心に取り組みました。分光器が完成した後も、毎晩のように性能評価のための観測を行うなど、非常に充実した実験だったようです。

「宇宙物理学特別演習」では、これまで宇宙物理学分野の専門的な講義で学んだ内容を踏まえつつ
1)専門書の輪読を通じた宇宙物理学に頻出の基礎理論の理解
2)銀河の撮像分光3次元データを用いた銀河の速度マップの作成と距離の推定
3)機械学習を利用した大規模サーベイ観測のデータベースからクェーサーと呼ばれる特異天体の抽出
の3つの課題に、全ての履修生が取り組みました。「宇宙物理学特別演習」の履修者は、1)の課題からは、基礎理論の理解はもちろん、ゼミナール形式の輪講を通じて発表の難しさを改めて感じたのと同時に、大勢の中での議論を通じてより深い理解に繋がる、という体験をしました。また2)の課題からは、銀河の撮像分光3次元データを用いて自ら描き出した銀河の本当の姿から、普段見る写真とは違った銀河のダイナミックな姿を実感してくれたようです。そして3)の課題からは、サーベイデータから分かる天体の統計的性質に興味を持ちつつ、機械学習とは何かを学び、その難しさ、面白さ、そして宇宙物理学とのつながりを理解してくれたようです。

いずれの科目・課題においても、教わって学ぶ宇宙物理学から一歩も二歩も踏み込んだ、自ら手を動かし実体験を通じて宇宙物理学の研究に触れる経験をしたと思います。

4月からは彼ら・彼女らも4年次となり、就職・進学などそれぞれの目標を持ちながら、大学4年間の集大成である「特別研究」に取り組みます。宇宙物理学の分野、気象学の分野に関係なく、それぞれが講義やこれら実践的科目で身につけた知識・技能を存分に発揮し、個々の興味に沿った様々な研究テーマでどんな成果を出してくれるのか、今から非常に楽しみです。

天文観測技術特別実験にて、担当教員の指導のもと行われた分光器の設計。
「フライス盤」とよばれる工作機械を用いて分光器に使用する部品を履修者自ら作成中。
実際に履修者が製作した分光器。見た目はともかく、分光器としての性能を発揮することを確認。
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