理学部宇宙物理・気象学科 談話会「弱い重力レンズ効果を用いた宇宙論研究とすばるHyper SuprimeCam surveyの初期成果」を開催しました

2018.10.10

10月10日(水)、理学部宇宙物理・気象学科談話会(※)として、国立天文台理論部の浜名崇助教によるセミナー「弱い重力レンズ効果を用いた宇宙論研究とすばるHyper SuprimeCam surveyの初期成果」が行われました。

弱い重力レンズ効果は、その効果を観測することで、天体の力学状態や放射特性とは無関係に、宇宙における物質分布を直接探ることが可能になるという意味で、非常にユニークな現象であり、宇宙論研究を行う上で、非常に重要な情報を我々に提供してくれます。しかし一方で、膨大な数の銀河の形状を精密に測定することが要求されるため、高性能の観測装置を用いた大規模なサーベイ観測と高度なデータ解析が不可欠となります。
セミナーでは、学部生にも分かりやすいように、この手法の基本原理について説明していただいた後、浜名助教が実際に研究にたずさわってこられた、日本のすばる望遠鏡に搭載された巨大な超広視野撮像カメラHyper SuprimeCam(HSC)を用いたサーベイ観測プロジェクトについて話をしていただきました。そして、その初期成果で明かになった、未知の銀河団・大規模構造や、宇宙に存在するダークマター・ダークエネルギーの存在量など、非常に興味深い結果が紹介されました。
このプロジェクトは現在進行中であり、今後更なるデータから、ダークマターやダークエネルギーといった未知のモノについて、より詳細な特徴が明らかになっていくと期待されます。

談話会には本学の教員、大学院生、そして学部生の参加があり、セミナー中はもちろん、セミナー終了後にも質疑応答や様々な議論がなされました。参加した学部生からは、「理解するのが難しい図などもあったが、面白い内容のセミナーだった。また新聞で目にしたことのある最新の研究成果が、実際にはどのようにして明らかになったのか、今回のセミナーを聞いて具体的に分かり、その内容も理解できたので、非常に有意義だった。」といった声も聞かれました。

(※)談話会は、学内教員や研究実績のある研究者を招聘して定期的に講演会を行うことで、理学の最先端の研究内容に触れ、研究意欲の促進、教育・研究の質的向上を図ることを目的として実施しています。参加は、教員だけでなく、学部生、大学院生、その他一般の方々も可能です。

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