神山天文台 平成29年度天文学講座第3回を開催

2018.03.24

2018年3月24日(土)に神山天文台の猿楽 祐樹 主任研究員による天文学講座第3回「惑星間ダスト~塵もつもれば〇〇となる!?」をサギタリウス館5階S509教室で開催し、一般参加者や学生、教職員など20名が参加しました。

講演では、太陽系には大小の天体以外にサブミクロンからmmサイズの小さな惑星間ダスト(塵)も存在しており、ダストが太陽の光を散乱して黄道光として肉眼でも見えていることが説明されました。

このダストは太陽を公転していますが、太陽の光の圧力を受けてブレーキがかかり、太陽系の年齢よりはるかに短い時間で太陽へ落ちていきます。そのため、ダストはすぐに無くなってしまうはずですが、今も多く存在しているとのことです。その謎を解くため、ダストの起源を探す様々な観測が行われていることが紹介されました。主な供給源は彗星または小惑星と考えられていますが、複数の説があり、まだ定量的な決着がついていないことが説明されました。

現在は、私たちの太陽系以外の惑星系のダストの観測も進んでいます。惑星系の成り立ちの理解にはガスの観測も重要ですので、太陽系外の惑星系のガスの物理的・化学的状態を精密に測定するため、神山天文台において開発が進められている近・中間赤外線の新しい高分散分光装置について紹介されました。

参加者からは「専門的な内容が多く、おもしろかった」「自分の研究につながる講演だった」等、様々な声が寄せられました。

講座終了後は、猿楽氏をはじめ、本学研究員と学生が各テーブルを回ってお茶を飲みながら歓談するアストロノミー・カフェが開催され、終始和やかな雰囲気のなか、交流が図られました。
講演を行う猿楽研究員と話に耳を傾ける参加者
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