生命科学研究科 高橋 稜一さんの特定外来種ツマアカスズメバチに関する研究が複数の学会誌に掲載

生命科学研究科 博士前期課程・2年次の高橋 稜一さんの修士研究で特定外来種ツマアカスズメバチの生態調査と日本への侵入起源について遺伝子解析により特定した研究が学会誌に複数掲載されました。

2012年に国内で初めて帰化が確認され、2015年1月に特定外来種に指定されたツマアカスズメバチの侵入経路や帰化状況の解明に関する研究を行いました。ツマアカスズメバチは、近年韓国や欧州に侵入し、農業や刺傷による被害、また在来生物を捕食するため生物多様性への影響も懸念されています。対馬市および北九州市で捕獲された個体を用いて、ミトコンドリアDNAの全長配列を決定し、そこからDNAバーコーディング法を用いて遺伝子解析したところ、中国東部に分布する亜種V. v. nigrithoraxの持つものと一致していることや、ハプロタイプネットワーク解析により、日本には船が運搬媒体となり韓国経由で侵入した可能性が高いことを明らかにしました。

図)ミトコンドリアDNAのハプロタイプネットワーク解析による日本への起源推定

掲載一覧

T. Takeuchi, R. Takahashi, T. Kiyoshi, M. Nakamura, Y. N. Minoshima, J. Takahashi (2017) The origin and genetic diversity of the yellow-legged hornet, Vespa velutina introduced in Japan. Insectes Sociuax First Online: 16 February 2017 doi:10.1007/s00040-017-0545-z
SPRINGER NATURE

Ryoichi Takahashi, Hisashi Okuyama, Takuya Kiyoshi, Jun-ichi Takahashi (2017) Complete mitochondrial DNA sequence of the invasive hornet Vespa velutina (Insecta, Hymenoptera) found in Japan. Mitochondrial DNA Part B 2:143-144.
Taylor and Francis Online

高橋 稜一・高橋 純一(2016) ツマアカスズメバチの生態と農業被害 植物防疫 第70巻 第7号35-38
一般社団法人 日本植物防疫協会

PAGE TOP