文化学部国際文化学科リレー講座「文化の“いま”を考える」第1回~表現の「いま」を考える~講師:福間 健二(詩人・映画監督)

2016.11.30

11月30日、国際文化学科「文化の“いま”を考える」リレー講座第1回として、首都大学名誉教授、詩人・映画監督の福間 健二氏を講師に迎え開催されました。「文化の“いま”を考える」をテーマとした本リレー講座では、人文学の先端で活躍されている先生のお話を通して人文学を学ぶ意義・楽しさを実感してもらい、今後の学びに繋げてもらいたいと考えています。
福間氏は詩人・映画監督として長年創作活動に携わってこられた体験から、表現・創造行為の核心的問題を、自作の詩や映画を例示され、わかりやすく説かれました。最初に自作の詩篇「1973年の小心な男」の成立過程に触れられ、中原中也の未刊詩篇との関連を説明されました。同時に中也の詩の魅力についても語られ、近代の芸術創造の本質を考察されていました。中也の詩に「赤ン坊」のイメージが出てくるのは、表現行為の原点へと回帰して、表現の原初的な力の回復を求めているという解釈であると説明がありました。美術では印象派から後期印象派への移行期あたりをもう一度考察すべきだとの考えを示されました。
最後には、今年のノーベル文学賞のボブ・ディランの詩のシンプルかつ奥の深さを解説され、料理やファッションに至るまで簡潔さ重視の話題は広がり、100名を超える参加者は熱心に聴きいっていました。
また、福間 健二氏の監督作品「秋の理由」、は12月17日(土)より関西地区でロードショーとなっています。是非ご覧ください。
詩を朗読し、わかりやすく説く福間氏
福間氏の講義を熱心に聞く学生たち
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