文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で「たん熊 本家」主人 栗栖 熊三郎氏が講義

2016.06.06

文化学部京都文化学科では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招聘し、世界遺産に認定された“和食”の生きた魅力を考察する「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
6月6日(月)は「季節と京料理」と題し、「たん熊本家」主人の栗栖 熊三郎氏をお招きしました。
板前割烹の始まりと言われ、京料理界の神様と呼ばれた祖父の初代 熊三郎氏から、言葉ではなくその姿勢を見ることで、料理の真髄を厳しく教え込まれた、とおっしゃる栗栖氏は、初代が残された献立をもとに今も京料理の研究をされています。
講義では、京料理には“取り合わせの妙・取り合わせの文化”が根底に流れていると解説。食材の“取り合わせ”だけでなく、日本・京都の繊細な季節のうつろいを表現する、玄関・坪庭・掛け軸・器・お花など、“室礼(しつらい)”すべてが“取り合わせ”素材であり、京の食文化とは、料理を通したおもてなしの心・おもてなしの文化である、と語りました。受講学生は、「たん熊」の料理だけでなく、玄関やお庭、お座敷や器などの写真を実際に観ることで、栗栖氏のおもてなしの心を実感していました。
また、曹洞宗の開祖 道元 禅師の歌『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり』を初代 熊三郎氏からよく聞かされたとのことで、「この歌は日本の美の真理そのもの。難しく考えず、ありのままシンプルにストレートに感じることが大事。そのためにも、感性を磨き、美しいものを美しいと見極める目を養ってほしい。京都文化学科で学ぶことは素晴らしいこと。楽しみながら京都の文化を学び、身に付けてほしい」と学生たちにメッセージを送りました。
京ことばの優しい語り口で講義される栗栖氏
「たん熊」の暖簾の“ロゴ”を解説した
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