東日本大震災から4年目の3.11に寄せて

2015.03.11

東日本大震災から4年目を迎えます。
災害の犠牲となられた方々に対し、あらためてご冥福を申し上げるとともに、哀悼の意を表します。また、被災された皆様の一日も早い復興を心から祈念申し上げます。

我々は、3.11東日本大震災から、自然の驚異に対する無力さと現在の科学技術の限界を実感しました。しかしながら、人間の真の強さや人と人との絆の固さを学びました。また、科学に対してどのように取り組むべきかを再認識することができました。
京都産業大学は、震災後に、被災に遭われた方々に対する支援物資の支援や学生ボランティアによる活動などを通じて、小さな力ではありますが、復興の一助になれればとの思いで、支援活動に取り組んでまいりました。

あれから、4年が経ちました。
復興と呼ぶには、まだまだ長い道のりでしょう。いまだなお、被災された多くの方々は震災前の生活に戻るに至ってはおられません。

我々は、毎年、3.11を迎えるたびに、何ができて、何をすべきか、自問しています。
この日を永遠に忘れてはならないと思います。だからといって、3.11を単にメモリアルとして風化させないという思いだけでよいのであろうか。失われた尊い数多の命に対し、畏敬の念をもって祈りをささげるのみの日であってよいのであろうか。そのような自問を繰り返しています。

「震災があったから」ではなく、「災害が生じた時に自分は社会に対して何ができるのか」を考える文化を作り上げていくことが、災害から学ぶことではないでしょうか。
風化するのは、文化として定着しないからです。だから、我々はこれを機に自助・共助の観点から防災・減災と向き合い、よりよい社会を目指さなければなりません。
これが、我々の責務であり、東日本大震災で被害に遭われ、尊い命を失われた方々に対する誰もができる追悼であると考えるからです。

平成27(2015)年3月11日
京都産業大学
学長 大城 光正
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