高瀬川筋明細絵図

写本彩色 江戸時代中期(1783〜1789年)
折本一帖 20.5×354.0cm (折りたたみ20.5×9.0cm)
※ 図書館の登録は「高瀬川筋明細」

 本絵図は鴨川の二条樋口(取水口)から下三栖村付近までが描かれ、それより下流は欠損しているが、冒頭の説明文の中で、「伏見高瀬舟番所浜先まで」と書かれており、宇治川まで描かれていたものと推察される。
 絵図には橋梁間の距離と水路沿いに「舩引道」が記入され、場所によっては道路が「舩引道」を兼ねているところも見られ、交差する通り名や橋名、寺社や著名な屋敷など高瀬川の管理や舟運に必要な情報が詳細に描かれている。また、四条橋付近の「フナ番所」の記述も見られる。これらのことから本図は高瀬川を管理するために作成されたものと考えられる。
 制作年代の表記はないが、「小堀數馬御代官所」(在任期間1754〜1789年)と長州藩邸「松平大善太夫屋敷」の表記から1783年から1789年の間に描かれたと推察される。

(引用・参考)
鈴木康久編(2022)『淀川水系 河川絵図集成』一般財団法人近畿地域づくり研究所