木津川筋絵図

写本彩色  天保6年(1835年) 林佐太房書
一鋪  40.1×55.0cm

 本図は、南は観音寺村から北は葭島新田、西は淀までの木津川と宇治川に囲まれた範囲を描いている。古川を中心に「大久保村」、「市田村」など、各村々をつなぐ街道が赤い線で記されている。木津川の右岸側には、木津川から取水する5ヶ所の樋門の位置が赤色で記されている。また、古川には、6つの橋梁が架設されていたことも確認できる。
 絵図には、「天保六年未年 林佐太房書」とあることから1835年に制作されたことがわかる。また、淀藩が管轄する21ヶ所の村々からなる田辺組の石高が記されていることから、村々の配置と石高を示すために制作されたと考えられる。

(引用・参考)
鈴木康久編(2022)『淀川水系 河川絵図集成』一般財団法人近畿地域づくり研究所