2007年度新司法試験の結果を受けて(07.09.25)

京都産業大学法務研究科長
村田 博史

 

 今回本学法務研究科の修了生から7名の合格者を出すことができました。この結果について、合格された方々の健闘を称えたいと思います。しかし、本学としてこの数字は決して満足できるものではないと考えております。

 

 昨年度の結果を受けて、本学においては法科大学院という法曹養成制度において、特にその骨格である未修者に対する教育で何をなすべきか?また何をすることができるか?を模索してまいりました。法曹として求められるものが何であるのかについて明確な基準が明らかにならない中での対応でしたが、今回の合格者は全て本学における成績優秀者であったこと、また熱心に授業に参加し、学んでいた方々であることから、本学における教育指導が間違っていなかったことを確信することができました。その意味で、従来からの正規のカリキュラムを一層充実させることが大切であると考えております。また、昨年の結果の反省から行ってきたことの意義も大きいと思っています。それは受講生各自の勉学の到達度を客観的に見ることができるよう他大学と協力した答案作成の試みや、各自の力を向上させるための個別の教科指導、文書作成の指導を充実させ、そうしたことの結果を受けた個人との対話を積極的に行うなどです。その成果の一端が今回の結果であるといえるかも知れません。未修者に対する指導が一朝一夕に効果を上げることが難しい点を考慮すれば、むしろこうした指導の成果を今後に期待すべきかも知れません。また、今回の結果を受けて、成績底辺層に属すると考えられる受講生に対しても、その底上げを図ることができる教育を実現していくことが大切であるとも考えています。全国の法曹を目指す方々にとっても厳しい道であることは確かですが、本学では受講生及び修了生が京都産業大学の法曹養成教育に耐えて勉学に取り組むことで、目的への到達は不可能でないと考え、一層その充実を目指す努力をして参ります。

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