教員紹介瀬尾 美鈴
瀬尾 美鈴SEO MISUZU
生命科学部 先端生命科学科 教授
- 専門分野
- 分子生物学、細胞生物学、細胞情報学
研究テーマ・内容

私たちの体は、200種類以上と言われる様々な種類の細胞から構成されています。それらの細胞が密接に連絡し合うことで、細胞分裂して新しい細胞を生み出すのか、それぞれの細胞が専門的な機能を発揮するために分裂を停止して分化の過程を進むのか、時々刻々とその運命を決定しています。体の中で、細胞増殖因子と呼ばれるタンパク質が、そのような細胞間の連絡を行います。細胞増殖因子を受け取った細胞は、受容体を通して細胞内に情報を伝えることで、環境に対応する様々な変化を引き起こすことが出来ます。健康な体では、細胞増殖因子による情報の伝達を正確に行うことが出来ますが、その過程に不具合が生じると、がんや先天性疾患をはじめとする様々な病気の原因となります。私の研究室では、細胞の増殖や神経細胞の分化を制御する情報伝達とその異常を明らかにするため、以下の課題に取り組んでいます。これらの研究テーマは、がんの新薬(分子標的薬)の開発と再生医療に役立つ基礎研究となります。
- 血管内皮増殖因子(VEGF)とニューロピリン(NRP)を介したがん細胞の増殖と転移メカニズムの解明
- 線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の異常発現とがん細胞の悪性化メカニズムの解明
- 神経軸索ガイダンス分子アノスミンの中枢神経系における血管新生作用のメカニズムの解明
担当科目
春学期
フレッシャーズセミナー、生物学実験、先端生命科学実習2、薬理学・毒性学、先端生命科学特別研究2
秋学期
先端生命科学演習5、先端生命科学特別研究1、先端生命科学特別研究2
プロフィール
広島市出身。高校時代は軟式テニスに明け暮れました。病気を治す薬をいつか作り出せたらいいなと思い、薬学を目指しました。広島大学医学部薬学科で学び、生化学の講義が面白くて4年次には生理化学教室に分属しました。卒業研究で研究(実験)の面白さに目覚め、大学院に進学しました。薬学修士号を取得後、京都大学で薬学博士号(論文)を取得。その後、博士研究員としてハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院に留学、引き続きボストン小児病院に留学し、腫瘍血管新生の世界的権威、ジュダ・フォークマン教授と血管新生因子FGFを精製したマイケル・クラグスブラン博士に指導を受けました。帰国後、京都産業大学国土利用開発研究所助教授に着任。工学部生物工学科助教授、教授をへて現職。2005年に再び、フォークマン教授の研究室に客員教授として留学しました。その後、本学では国際交流センター長と図書館長を務めました。現在は、京都府発明等功労表彰審査会委員、日本生化学会評議員を務めています。
受験生へのメッセージ
京都産業大学には、皆さんを大きく成長させてくれる環境が整っています。現在の偏差値で一生を決めるのではなく、京都産業大学に入学すれば、全く新しい自分になるための多くのチャンスを手にすることが出来る出会いがあります。私たちは、皆さんが大きく成長できるお手伝いをすることが喜びです。
分属前学生へのメッセージ
研究室では、教授、研究員、先輩たちと一緒に、新しい生命科学の発見をしましょう。がんを克服する戦いに真剣に向き合いたいと希望する方に、応募していただきたいです。
研究室名
血管神経生物学研究室(Laboratory of Vascular and Neurobiology)
研究室の構成、様子、特別行事など

2022年度から、教授、客員研究員2名、大学院生2名と学部学生が7名の構成です。研究室では、学部学生でも外国人留学生と一緒に実験し、英語でコミュニケーションできるように日々努力しています。これからもどんどん海外からの留学生を受け入れる予定です。学部学生の皆さんにはグローバルな体験を増すことで、国際的な意識を育ててもらいたいと願っています。
連絡先:15号館2階、15212教員研究室・15210教員実験室・15213実験室
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