教員紹介浜 千尋

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浜 千尋HAMA CHIHIRO

生命科学部 産業生命科学科 教授

専門分野
分子神経科学

研究テーマ・内容

脳の機能は、多数の神経回路が協調的に働くことにより生まれます。より微視的には、脳の機能は各回路の配線パターンと神経細胞間の接続部であるシナプスの特性に大きく依存しています。私達は特にシナプスの機能発達、そして睡眠におけるシナプスの役割について興味を持ち、ショウジョウバエの遺伝子変異の解析をもとに分子レベルでの研究を進めています。

1.シナプス間隙タンパク質の同定と役割
神経細胞同士の接続部をシナプスとよび、接続部の隙間をシナプス間隙とよびます。シナプスは神経伝達を行う装置として、脳機能の中心的役割をもつことから膨大な研究がなされてきましたが、シナプス間隙は教科書にもほとんど記述されていない未知の研究分野です。我々の研究室では、コリン作動性シナプスのシナプス間隙に特異的に存在する2種類の分泌性タンパク質HigとHaspを発見し、これらのタンパク質が機能的なシナプスの分化に重要な役割をしていることを見つけました。コリン作動性シナプスでは、シナプス前部からアセチルコリンが放出され、シナプス後部に存在するアセチルコリン受容体に結合することにより神経伝達が成立します。このアセチルコリン受容体のシナプス後部における量をHigが調節し、またHigのシナプス間隙における局在をHaspが調節していることがわかりました。これらの調節機構がどのようになっているのか理解すること、そして同定されたシナプスタンパク質が互いにどのような配置で存在しているのかを明らかにすることが現在の研究テーマです。これらの研究を通して、シナプス間隙を含めた新しいシナプス像を描きたいと考えています。

⒉ Higタンパク質の睡眠における役割について
Higタンパク質がシナプスから無くなってしまうショウジョウバエ変異体は、動きが悪くなったり寿命が短くなります。エサの上でじっとしていることも多いので、眠っている時間が長いようにも見えます。ところが、実際に睡眠の測定をしてみると、眠る時間は野生型に比べて短く、1回に連続して眠る時間が非常に短くなっています。つまり、長い時間眠るためには、Higが関与する積極的な制御機構が存在するのです。この睡眠の制御機構の解明にも興味を持って取り組んでいます。
(左図)ショウジョウバエも寝ます。
(右図)ショウジョウバエの脳。脳には膨大な数のシナプス(紫)が存在しています。緑あるいは白色に染まっているところは匂いを識別する嗅覚の中枢です。

担当科目

春学期

神経生物学、生物学実験、フレッシャーズセミナー、化学通論A、応用特別研究1・2

秋学期

物質生物化学、産業生命科学特別研究1、基礎特別研究、産業生命科学演習2、物質生物化学、日常生活と生命科学、基礎環境学、生命科学プロジェクト研究1、応用特別研究1・2

プロフィール

熱中できることがあるのは幸せです。まだまだ熱中したいですね。

受験生へのメッセージ

生命科学の分野で基礎科学を学ぶことは、社会の中で生きる人間に対して客観的な見方を身につけることでもあります。将来社会に出た時に、科学の分野であれ、どのような分野であれ、チャレンジをする際の確かな出発点となります。

分属前学生へのメッセージ

21世紀は脳の時代と言われています。脳は極めて複雑かつ精緻な構造を持つシステムで、そこから生み出される機能がみなさんの毎日の生活を支えています。私の研究室では、微小脳の解析を通して、昆虫からヒトまで共通な脳の機能と機能発達を支えるメカニズムの解明を目指しています。やる気だけは誰にも負けない人を募集しています。

研究室の構成、様子、特別行事など

夏と冬のセミナーハウスの合宿では羽目を外しすぎないように気をつけましょう。
連絡先:15号館1階 15104号室(浜)、15111号室(実験室)
E-mail:


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