ピックアップ研究室

さまざまな分野で武器となる学び

私の研究は、環境経済学と環境政策学、生態学がテーマ。生命科学や生態学などの知識や技術で、環境問題だけでなく、経済や防災・減災などの社会問題を解決する仕組みを考えています。
今注目されているのが、グリーンインフラという概念。自然環境をただ守るべき存在と捉えるのではなく、自然が持つさまざまな機能を活用するという考え方です。例えば、道路にある街路樹と雨水をためる施設を一体的につくることで、地域に自然を増やすとともに、美しい街の景観と災害対策を同時に実現することができる。環境問題への社会的な関心が高まる中、自然と共生できる手法が、一層求められています。
これからは、技術革新が進むバイオテクノロジーや生物由来の素材が活用される時代。行政機関はもちろん、インフラ産業、観光業、製造業などさまざまなジャンルで生命科学を産業社会に結び付けていける人材が必要となります。研究室では、生物や生態系の持つ力を最大限に引き出し、地域を豊かにする仕組みづくりに取り組んでいきます。社会課題の解決策を皆さんと考え、自然共生型の社会を一緒に創っていきましょう。

地域の視点から社会問題を改善

私は農業政策、農業経済の分野を扱っており、生物資源を使って、いかに地域を良くしていくか、生物資源をどう保全するかをテーマにしています。
例えば、地産地消などにより持続可能な社会構築を目指す「地域内資源循環」という考え方があります。給食で出た生ごみを堆肥化し、その堆肥を使って野菜を育て、地域で消費してもらう。これにより食・農を通じた資源の地域循環につながりますが、その実現には、技術だけでなく、地域の人々のつながりを踏まえた仕組みづくりが必要になってきます。
また、京都では伝統的な京野菜が有名ですが、生産者の減少が課題となっています。京野菜を守るためには、どういったアプローチがあるのか。もちろん遺伝資源として残していくための生命科学の技術は欠かせません。そして、流通の知識を生かして政策を確立していく。
そこで大切になるのが、地域の視点に立って考える素養です。生命科学を基礎とした技術、専門知識を生かした政策、地域の視点で考える素養、この三つでどうアプローチしていくか。皆さんとともに研究していきたいですね。

生命の誕生と死の双方に作用する分子機構の研究を通し再生医療の未来をさまざまな形で拓く人材を育てたい

アフリカツメガエル(雌)体内の卵巣に蓄えられている卵母細胞

現在私は2つの研究に取り組んでいます。1つは受精卵が発生段階で体を形成するメカニズムの、もう1つはがん細胞が持つ生物学的機能の研究です。いわば生命の誕生と死に関わる研究であり、これらは一見無関係に思えるかもしれませんが、実は正常細胞のがん化を引き起こす「がん遺伝子」の、機能変異前の姿「原がん遺伝子」は、受精卵の発生メカニズムにも関与することがわかっています。このような分子機構の研究を通して、例えば再生医療分野で注目されているiPS細胞やES細胞をより安全に、かつ効果的に活用するための重要な発見、知識を得られることでしょう。これらの成果をさまざまな形で社会に還元できる、「職業人」たる生命科学のスペシャリストを、みなさんには目指してほしいと思います。

最新機器を用いて植物の形が持つ多様性の神秘に迫る

環境によって姿を変えるロリッパの葉
(左)空気中25°C、(中央)空気中20°C、(右)水中

植物の葉の形に注目した研究を進めています。たとえば、生育環境に応じて葉の形が変化する植物「ロリッパ」。陸上では効率良く光合成を行うために丸い葉が、水中では水の抵抗を弱めるために針状の形の葉が発生します。このような変化には、DNAのはたらきが関係しています。研究室では、今まで10年以上かかっていたDNA解析をたった2、3日で遂行する「次世代シーケンサー」などを用いて実験を進め、変化が生まれる原因を追究。植物の品種改良などにつながる研究を進めています。研究過程においては企業や他大学と連携をとる機会も多く、実社会ではどのような能力が求められるのかを肌で学ぶことができます。生命科学の専門知識とともに社会への意識を育むことで、研究職や教育現場など、あらゆるステージで活躍できる人材を育成します。

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