生命科学部 生命科学セミナーを開催します!(4月28日)

4月28日に学内限定の生命科学セミナーを開催いたします。

最先端の生命科学の話題を生命科学部の教員に紹介していただきます。
お時間のある方はぜひご参加ください。
Teamsでのオンラインセミナーになりますので、チームコード(lfjxegp)を利用して入室してください。

齋藤 敏之 教授(京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 (総合生命科学部 動物生命医科学科))

ミクログリアを通して脳を知る
15:00~(講演30分 質疑応答15分程度)司会:浜

新型コロナウイルス感染症の広がりに伴い、私達はこれまでと大きく違った生活スタイルを強いられています。このような変化は、心理的ストレス刺激となって私達に降りかかってきます。物理的刺激と同様、心理的ストレス刺激は、私達の意識に上ることなく、ストレス反応を引き起こし、副腎皮質ホルモンの分泌を促します。ストレス状態が長く続くと、いつもより疲れを感じやすくなる、などの症状が出てくることがあります。疲れは疲労物質が蓄積されるからとよく言われますが、近年、脳の炎症との関連性や脳の免疫細胞であるミクログリアの関与が指摘されるようになりました。ストレス状態に長くおかれると、血管内皮に炎症が起こる可能性があり、脳の血管反応や血液脳関門の機能にも影響が出てきます。脳を健全に保つためには何が必要でしょうか?ストレスを回避する以外にも何か秘訣があるかもしれません。

浜 千尋 教授(京都産業大学 生命科学部 産業生命科学科 (総合生命科学部 生命システム学科))

シナプス間隙を探検する
15:45~(講演30分 質疑応答15分程度)司会:齋藤

シナプスは、神経細胞間の情報伝達を行う装置で、脳機能を生むための中心的な役割を担っています。そのため、神経科学の歴史の中で膨大な量の研究が行われてきましたが、その対象は主にシナプス前末端と後末端についてで、末端間の‘すきま’であるシナプス間隙は長い間、未開拓の領域でした。われわれがシナプス間隙の研究を始めたのは、今から30年ほど前にショウジョウバエの遺伝子変異スクリーニングにより、hikaru genki (hig)遺伝子を同定し、そこにコードされる分泌性のHigタンパク質がシナプス間隙に局在することを見出したことがきっかけです。最近の研究から、Higタンパク質は、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のシナプスにおける局在維持に必要であり、さらに成虫の活動性を指標とした修飾変異の解析から、nAChRを構成する特定のサブユニットとHigとの相互作用がnAChRの局在を制御していることをつきとめました。
シナプス間隙には、Higだけが存在しているわけではありません。Higの局在に必要な分泌性タンパク質Hasp、そしてHaspの局在を制御する膜タンパク質(未命名)も同定しました。最近注目しているのは、HigとHaspがシナプス間隙内で異なる分子コンパートメントを形成していることで、そのシナプス分化における役割は今後解明すべき問題です。このように、未だ不明な点が多く残されていますが、暗黒の‘すきま’に光を当てて少しは絵が描けるようになってきました。
以上の内容について、研究の着想と実験の方法論を交えて紹介します。


日時 4月28日(水)開催(学内限定)
場所 Teamsによるオンラインセミナー(チームコード:lfjxegp)
開場 14:30~(チームコードを利用して入室してください)
開演 15:00~16:30

録画したものを公開しますので見逃した方や参加できない方はご覧ください(期間限定ですのでお早めに)。  
次回は2021年5月26日(16時15分開始)です。演者:板野 直樹(先端生命科学科)、加藤 啓子(先端生命科学科)先生

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